Pickup Player 大阪経済大・山本諒(1年/近江高)「ゴール前の嗅覚とか、入るべきところに入ってしっかり最後決めきるっていうところは自信を持っています」

《「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会5位6位決定戦》

2025/06/28 13:40 Kick off – 万博記念競技場
大阪経済大 2-1(1-1) 大阪学院大
得点:’4 大経大/桑原颯太、’38 大院大/大石翔真(鳥井禅音、木場慶太)、’63 大経大/山本諒

大仕事を成し遂げたルーキー・山本諒

指揮官から「勝負を決めてこい」と送り出されたルーキーが、大仕事をやってのけた。同点で迎えた63分、大阪経済大が左から入れたクロスボールに対し、大阪学院大DFが処理しようとしたトラップが大きくこぼれたところをすかさず拾ったMF山本諒(1年/近江高)が右足を思い切って振り抜き、ゴール。これが決勝点となり、大経大は2年連続6回目の総理大臣杯への出場権を獲得した。

「ゴール前の嗅覚とか、入るべきところに入ってしっかり最後決めきるっていう部分は自信持ってます。自分の思ったとおりにこぼれてきたんで、あとは冷静に枠にしっかりおさめて振り抜いた結果、ゴールに結びついたかな」と殊勲の場面を振り返る山本は、『自分が結果を出す』と強い気持ちを持って後半からピッチに入った。2年前の高校選手権・青森山田高との決勝戦でも後半から投入され即座に同点弾を決めている。「大舞台や、かかった場面で点を取る能力が秀でてる。あれを見てうちに来て欲しいと思った」と大経大・大石篤人監督は山本の能力を見込んで、声をかけた。

大経大を率いる大石監督は、山本の能力を高く評価する

大学では開幕の同志社大戦で交代出場デビュー。ここまでリーグ戦9試合に出場して1得点をあげているが、まだポジションを取ったと言えるには至っていない。「監督の求めるものや、チームメイトとのコミュニケーションで柔軟な対応ができていない。安定して自分のプレーの良さを出しきれてないっていう部分もありますし、シンプルに実力で大学のハイレベルなところに足りてない。まだまだ求めるものはいっぱいあります」と山本も冷静に分析して、成長を誓う。攻撃的なポジションはチーム内での競争も激しいが、大石監督は「あいつの点を取る能力っていうのは、うちのチームでも長けている。諒は1年生だから、ここからいろんな意味で成長する部分も多いと思う」と大きな期待を寄せている。

現状、大学の公式戦は高校選手権のように多くの観客が見に来ることはないが、「高校よりも一段レベルが高い中、全国へ行けるっていうのは、自分の中でも一歩成長できたところ。全国でも自分の良さを出していきたい」と総理大臣杯への意欲も十分だ。「数字を残してチームを勝たせるっていうところは常にこだわっていきたい」と話すこの日のヒーローは、大学で今以上に輝きを放つ選手となっていくために、総理大臣杯でも勝負を決めるプレーを見せてくれるに違いない。

山本はゴールを決めて、大石監督のもとへ
蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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