《ASTRO SPORTS presents 2025年度 第74回 全日本大学サッカー選手権大会 予選ラウンド》
▽2025/12/06 13:00 Kick off – KUROKIRI STADIUM
九州産業大 4-3(0-2/3-1/0-0/1-0) 京都産業大
得点：’6 京産大/皿良立輝、’17 京産大/皿良立輝、’56 京産大/長谷川裟恭、’77 九産大/田中想楽(田上廉太郎)、’84 九産大/高橋伊吹(伊藤励雅)、’90+5 九産大/平田龍治(岩永創太)、’107 九産大/田中遥一郎(岩永創太)
宮崎県KUROKIRI STADIUMで開催された九州産業大学vs京都産業大学の一戦は、延長戦までもつれ込む激闘となった。
GK徳若碧都(4年/高川学園高/宮崎内定)のロングフィードで立ち上がりからチャンスを作った京産大は、 MF福永裕也(2年/京都橘高)を起点にサイドから攻撃を仕掛けて九産大のディフェンスラインを下げることに成功。すると前半5分、こぼれ球を拾ったMF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)からパスを受けたMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)がロングシュートを放つと、相手DFに当たりディフレクションでコースが変化しそのままゴールへ。先制点を奪った京産大は流れを止めることなく攻撃を展開。ハイプレスも仕掛けて相手にプレッシャーを与え続けた。15分、前線でボール奪取に成功したMF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)からMF長谷川裟恭(4年/京都橘高)、テンポ良くボールを繋ぎMF皿良がペナルティエリア右からゴールを狙うと、またしてもディフレクションでコースが変わり追加点となる。「1年生からああいう形の練習を積んでいたので、日頃の練習の成果が出たと思う」と京産大・吉川拓也監督もMF皿良の2ゴールを高く評価した。
前半早々に2失点を許した九産大も反撃に転じる。35分にGK藤井海人(2年/浜松開誠館高)のロングフィードを受けたFW藤吉春翔(3年/鳥栖U-18)がディフェンスの裏をとり、キーパーとの一騎打ちでシュートを放つもゴールのはるか頭上に。頭を抱えるFW藤吉だったが、この攻撃を境に九産大の裏を狙うプレーが増え始める。反撃の狼煙を上げるには十分なプレーとなった。
後半開始早々から防戦一方の展開を強いられる京産大だが、56分にMF大倉からのスルーパスを受けたMF長谷川が冷静に追加点を決めて九産大を突き放す。3点ビハインドとなり後がなくなった九産大は、裏を狙う攻撃で猛攻を仕掛け続ける。すると77分、相手の背後をとった MF田上廉太郎(4年/東海大学付属熊本星翔高)はマイナス方向のMF田中想楽(4年/興國高)にパスを供給、MF田中のダイレクトシュートで1点を返す。さらに84分、ピッチ中央からのFKを獲得した九産大はゴール前にボールを入れると、GK徳若が弾いたこぼれ球にMF伊藤励雅(4年/興國高)が反応。ゴール前のMF高橋伊吹(2年/富士市立高)に繋いで冷静に2点目を押し込んだ。1点差にまで詰め寄られ、巻き返しを図りたい京産大だが、前半に見せた連携を発揮することができない。残り時間わずかとなった九産大はロングスローも多用してゴール前にボールを集めると90+5分、ラストワンプレーでCKを獲得。このCKをニアサイドのDF平田龍治(2年/飯塚高)が頭で合わせて値千金の同点ゴールを決め、3点差を追いつき、延長へと持ち込んだ。
両チーム激しい攻防を繰り広げた延長戦で、均衡を破ったのは九産大だった。107分、MF岩永創太(2年/アビスパ福岡U-18)がスピードに乗ったドリブルで左サイドを駆け抜けてクロスを放つと、FW田中遥一郎(2年/上村学園高等部)がダイビングヘッドで合わせて決勝ゴール。その後は、京産大にシュートを許さない堅守を見せて試合終了。劇的な大逆転劇を披露した九産大は決勝ラウンドへの進出を果たした。予選ラウンド敗退となり2年連続で強化ラウンドに進む京産大だが、吉川監督は「与えられた残りの試合をしっかりやり切る、それだけだと思うので、関西代表として昨年同様優勝を目指してしっかり戦いたい」と前を向いた。
全国の強豪が集うこの大会で予想通りの展開はありえない。13日から始まる決勝ラウンドも目が離せない戦いが続くことはまちがいない。
