Pickup Player 関西学院大・宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)「自分がここでやらなきゃダメだなって思ったし、そこに責任が伴う。気持ちでボールを掻き出して止めた」

《「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会5位6位決定戦》

2025/06/28 11:00 Kick off – 万博記念競技場
関西学院大 2-1(2-0) 京都橘大
得点:’18 関学大/山本吟侍(西谷京祐、山本楓大)、’39 関学大/先田颯成、’83 京都橘大/沖秀大(鵜戸瑛士、住芳樹)

難しい試合を勝ちきってチームメイトと笑顔でハイタッチをかわす宮本

全国大会へ至る道程は簡単ではない。それを再認識する大会となった。関西学生リーグでは負けなしの首位で臨んだ関西選手権、準々決勝で京都産業大に敗れた関西学院大は、ラストチャンスの5位6位決定戦にすべての思いをかけて挑んだ。

18分にDF西谷京祐(4年/関西学院高等部)が縦に入れた鋭いパスを足元でピタリと受けたFW山本吟侍(2年/高川学園高)が冷静にゴールへ沈めて先制。39分には相手のクリアボールを拾ったMF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)が決めて追加点とする。だが、全国大会初出場を狙う京都橘大も後半、攻撃の圧力を高めてくる。GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)を中心に身体を張ってゴールを死守する関学大だが、83分にDF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)にゴール前で頭で押し込まれて追い上げられる。それでも京都橘大の攻撃を全員で跳ね返してリードを守りきり、泥臭く総理大臣杯の切符をつかみ取った。

「試合前に監督からも『接戦になる』って言われたし、僕らも難しい試合になるってわかった中で戦ってたんですけど、自分たちができる最大限のことを全員がやってくれたおかげで、勝ちにつなげることができた。京産大戦の負けがチームとして団結力が上がるきっかけになりました」と宮本は笑顔で試合を振り返った。京都橘大はリーグ戦でも2-2のドローに終わった実力が拮抗する相手。この日は前半2点を奪ったが、さらに突き放すチャンスがありながらリードを広げられず、後半は守勢に回る時間が長くなった。その展開の中で宮本が幾度も好セーブでピンチを防ぎ、プレーで仲間を勇気づけた。

前半を2点のリードで折り返したが、後半は耐える展開となった関学大

自分としても納得するプレーができず、「めっちゃ悔しかった」という準々決勝・京産大戦の試合後、チームメイトの悔しがる様子、泣いてる姿を見て、「自分がここでやらなきゃダメだなって思いましたし、そこにやっぱり責任が伴う。本当に気持ちでボールを掻き出して止めたっていう感じのセーブでした」と守護神は強い気持ちで相手に立ちはだかり、チームにとって大きな一勝を掴む大きな力となった。

去年の関西選手権は4回戦で龍谷大にPK戦で敗退。全国大会の出場機会を逸した。その試合でゴールマウスに立っていたのも宮本だった。「個人的にもこの大会は、『忘れ物がある』っていう感覚だった」とする一年前の苦い経験を今年は喜びで上書きすることができた。

準優勝となった2年前の総理大臣杯は1試合のみの出場と、個人として不完全燃焼な結果に終わっている。今年は「強いチームと対戦して、勝って自分たちの価値を表現したい」と意気込む。勝利をもたらすプレーで前回を上回る結果を残し、自らの進路も切り開いていくつもりだ。

長い手足を生かしたセーブと、正確なキックが持ち味
蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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