《「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会準々決勝》
2025/06/20 15:35 Kick off – たけびしスタジアム京都
阪南大 1-0(1-0) 大阪経済大
得点:’11 阪南大/篠田純之助(松井空音)

阪南大らしい試合ではなかった。季節を先取りした猛暑の中、それでもしぶとく勝ちきった。「トーナメントなんで、多少アバウトになるのは想定済みだった」と主将・櫻井文陽(4年/阪南大学高/群馬内定)はタフな試合を振り返る。
高い精度のキックで中盤を組み立てていく櫻井だが、この日は「自分が中盤でやることがない試合」と評したように、大阪経済大が指向する大きな展開に対応する時間帯が長く、ボランチの櫻井が前線を動かしていくためのビルドアップを見せる場面は少なかった。それでも「一発勝負で、こういう渋い試合でも勝てたのは大きい」とチームとしての成長を手応えとする。ディフェンディングチャンピオンとして総理大臣杯への出場権を獲得したが、「日本一はもちろん目指すけれど、迎え撃つほど強豪じゃない。一つひとつ、目の前の相手を倒していく」と地に足をつけて戦っていく決意を口にした。

阪南大の背番号”14″は代々のエースが背負ってきた番号。松下佳貴(藤枝)、脇坂泰斗(川崎)、工藤蒼生(仙台)ら、歴代の”14″がプロへと進んでいったように、2年次からこの番号を託されている櫻井もザスパ群馬への内定を勝ち取った。Jリーガーとしてのスタートを切るのにさらに上のカテゴリーを狙うつもりはなかったのかという問いかけには「評価してくれるところに早く行って、チームと一緒に成長していきたいっていうのが自分の中でありました。着実に、力つけてステップアップしていきたい気持ちで決めたって感じです」と一歩一歩実績を積み上げていく心づもりだ。
後ろから繋いでいく群馬のスタイルは、櫻井の特徴を活かせるサッカーで首脳陣からの評価も高い。課題であるフィジカルを鍛え、夏の学生リーグ中断期間には群馬へ練習参加し、デビューも機をうかがう。後輩であるFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)、FW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18/C大阪内定)がすでにトップ帯同していることも大きな刺激になっている。
今大会まず目標とするのは、関西選手権での2017年以来となる優勝。「今日負けても順位決定戦に次勝てば全国には行ける。でも、優勝っていうところを目指すには、今日は絶対に勝たないといけない試合だった」と力を込める。全国を決めたことで、ここからの2戦は阪南大として様々なチャレンジも考えての戦いとなる。櫻井がチームをどう指揮し、タイトルへと導いていくのか、背番号”14″のプレーに注目だ。


