’25 関西学生リーグ第6節/上位対決を制した関西大が首位奪取。勝ち点3の間に6チームがひしめく実力拮抗のリーグ戦に

GWの連戦も2試合目。過密日程を乗り切るために、どのチームも総力戦で挑む試合が続く。

大阪体育大vs桃山学院大は縦に速い展開でゲームが進むが、両チームともなかなか決定機には結びつけられない。すると15分、右サイドからゴール前へ出されたボールをおさめようとした桃山大FW藤枝康佑(4年/東山高)を倒した大体大DF池戸柊宇(2年/京都橘高)にレッドカードが提示される。このプレーで桃山大はPKを獲得し、FW藤枝が決めて先制する。数的不利を強いられることになった大体大は我慢強い守備から反撃のチャンスをうかがうと、25分、左CKを桃山大DFがヘディングでクリアしたボールをMF島龍之介(3年/京都サンガF.C.U-18)がダイレクトボレーで叩き込み同点とする。さらに33分、大体大はGK長野大河(4年/立正大学淞南高)のロングキックを桃山大が処理したこぼれ球をFW臼田成那(2年/ノースアジア大学明桜高)が鋭いシュートで打ち抜き、逆転。桃山大も後半MF蘓鉄航生(3年/ヴィッセル神戸U-18)が仕掛けてチャンスを作るが、大体大も集中を保ってゴールを許さない。しかし、90+2分、FW藤枝が右から上げたクロスボールを、FWユンジョンミン(3年/立正大学淞南高)がDFに競り勝ってヘディングで叩き込んで同点とする。今季の桃山大の粘り強さが、勝ち点1をもぎ取るにつながった。

関西大はホームグラウンド開催となった試合に駆けつけた多くの観客の前で、好結果を出した。前半は甲南大が試合を優位に進め、MF伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)の積極的なドリブル突破からチャンスを作るが、ゴールを奪うには至らない。スコアレスで前半を折り返すと、52分、関西大はファーに出されたCKをDF吉村瑠晟(4年/神戸弘陵学園高/磐田内定)がダイレクトでゴール前へ折り返すと、DF松名大輝(4年/東海大学付属大阪仰星高)が頭で合わせてゴールネットを揺らす。開幕からここまで複数得点が取れていない関西大だが、87分にMF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース)のシュートを甲南大GK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)が防いだこぼれ球をFW大矢瑞樹(4年/アルビレックス新潟U-18)が押し込み追加点。さらに90+3分には、MF宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)のパスに抜け出したFW兎澤玲大(2年/京都サンガF.C.U-18)が3点目を決める。ホームで快勝の関西大が首位奪取となった。

リーグ戦無敗だが、4連続ドローと勝ち星が遠い関西学院大は、前節に大阪学院大に逆転勝利して勢いに乗る関西福祉大と対戦。立ち上がりから関学大が押し込む展開となるが、関福大も奪ってからの素早い切り替えで相手ゴールへと攻め込む。その攻撃が実ったのは36分、関福大は中盤でプレスをかけてボールを刈り取ると、FW城洸佑(3年/熊本国府高)がドリブルで前進し、最後はDF吉本篤史(2年/熊本県立大津高)がミドルシュートで先制する。後半立ち上がりにも関福大は縦突破からFW城がゴールを狙うが、関学大GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)がギリギリのところでセーブすると、即座に攻撃へスイッチを入れるパスを送り、FW山本吟侍(2年/高川学園高)のシュートのこぼれ球をMF棟近禎規(2年/興國高)が押し込み同点に。直後の51分にはMF長滝谷洸斗(3年/近江高)からのパスを受けたMF棟近が再び決めてあっという間に逆転する。81分にはMF棟近のパスに抜け出したリーグ戦初出場のMF北藤朔(2年/神戸弘陵学園高)がGKの股を抜くゴールで3点目。関学大が開幕戦以来の勝利をあげた。

同点弾を決めて吠える関学大・棟近禎規(中央)

初勝利を前節に飾り、上昇ムードの京都産業大。前半はその勢いが充分に結果につながった。20分、京産大が左から展開した攻撃を大阪経済大DFがクリアしたボールを拾ったMF田代紘(3年/ヴィッセル神戸U-18)が拾って右上に叩き込み先手を取ると、25分にはDF小野成夢(3年/愛媛FCU-18)が出したロングボールを左サイドで受けたFW森田皇翔(1年/ヴィッセル神戸U-18)がドリブルで駆け上がりパス。これをMF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)が巧みに合わせて追加点とする。大経大も29分、中盤でボールを奪いフィードボールを受けたFW山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)がドリブルで一気に前進。パスを受けたFW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)のシュートを京産大GK中原碧琉(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が弾いたこぼれ球を、MF中山蓮(2年/東海大学付属大阪仰星高)が押し込み追撃を開始する。しかし、34分に京産大はMF大倉のクロスをDF小野がヘディングで叩き込み、点差を広げる。後半は大経大がラインを高く上げて攻撃の圧力を高めていくと、66分、FW下崎琉宝(3年/興國高)が振り向きざまに放った鋭いシュートは一度は防がれるが、こぼれ球をFW水永が詰めて1点差に詰め寄る。セットプレーから得点を狙う大経大の攻撃を、京産大が集中高く守りきり、2連勝で勝点を伸ばした。

思うように勝点を積み上げられていない両チームの対戦となった阪南大vs同志社大。立ち上がりは阪南大が勢いを持って攻め込むが、シュートを打つ形を作れない。序盤を凌いだ同志社大も、徐々に試合のペースを握るようになっていくと、MF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)が右サイドを駆け上がりシュートするが、阪南大GK須田遥斗(3年/大阪桐蔭高)のビッグセーブに阻まれる。41分にはショートコーナーから同志社大MF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)がコントロールショットを放つも、バーにあたり得点とはならない。後半は阪南大が試合を支配する時間帯が増えていく。67分にはDFの裏にうまく抜けたFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18)がGKと1対1の絶好機を迎えるが、シュートはわずかに右へとそれてしまう。同志社大も高い集中力で守りきり、スコアレスドローで勝ち点1を分けるに留まった。

大阪学院大vs京都橘大はどちらもまだリーグ戦で勝利がない。この日は立ち上がりから大院大がスピーディな攻撃で試合の主導権を握ると、5分、右サイドからFW青木玲(4年/大阪学院大学高)がゴール前に入れたボールを、FW北田統士(4年/大阪学院大学高)がヘッドで決めてリードを奪う。11分には、FW北田が左から入れたクロスを今度はFW青木が合わせて追加点を上げる。早い時間に2失点と苦しい状況となった京都橘大は、大院大のスピードとプレスに手こずりながらも、しっかりと自分たちのやるべきタスクを追求していく。MF天野太陽(1年/静岡学園高)が高い技術で中盤を引き締めてリズムを取り戻して好機につなげる場面を増やしていく。54分、MF吉野歩夢(1年/京都橘高)がゴール前にボールを入れると、FW伊原快(2年/玉野光南高)がヘディングで決めて追撃開始すると、64分、中盤で奪って速い展開からMF鎌田翔大(4年/京都橘高)が放ったシュートが大院大DFの手に当たり、PKを獲得。MF鎌田が確実に決めて同点に追いつく。その後は互いにチャンスを作りながらも勝ち越し点はならず、両チームとも初勝利は次節以降へと持ち越しとなった。

京都橘大は、鎌田翔大がPKを決めて2点差を追いつく

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第6節》
▽2025/05/03 12:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
関西学院大 3-1(0-1) 関西福祉大
得点:’36 関福大/吉本篤史、’50 関学大/棟近禎規、’51 関学大/棟近禎規(長滝谷洸斗、篠原駿太)、’81 関学大/北藤朔(棟近禎規、金山耀太)

▽2025/05/03 14:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
大阪学院大 2-2(2-0) 京都橘大
得点:’5 大院大/北田統士(青木玲)、’11 大院大/青木玲(北田統士)、’54 京都橘/伊原快(吉野歩夢)、’64 京都橘/鎌田翔大(PK)

▽2025/05/03 11:30 Kick off – アクアパルコ洛西
大阪体育大 2-2(2-1) 桃山学院大
得点:’19 桃山大/藤枝康佑(PK)、’25 大体大/島龍之介、’33 大体大/臼田成那、’90+2 桃山大/ユンジョンミン(藤枝康佑)

▽2025/05/03 14:00 Kick off – アクアパルコ洛西
京都産業大 3-2(3-1) 大阪経済大
得点:’20 京産大/田代紘、’25 京産大/大倉慎平(森田皇翔)、’29 大経大/中山蓮(水永直太朗)、’34 京産大/小野成夢(大倉慎平)、’66 大経大/水永直太朗(下崎琉宝)

▽2025/05/03 11:30 Kick off – 関西大学千里山中央グラウンド
関西大 3-0(0-0) 甲南大
得点:’52 関西大/松名大輝(吉村瑠晟、三木仁太)、’87 関西大/大矢瑞樹、’90+3 関西大/兎澤玲大(宮川大輝、大矢瑞樹)

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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