《「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会準々決勝》
2025/06/20 13:00 Kick off – たけびしスタジアム京都
京都橘大 0-3(0-1) 関西大
得点:’18 関西大/今西佑(村井天)、’69 関西大/真田蓮司(今西佑)、’90+6 関西大/三木仁太(真田蓮司、日笠蓮康)

関西大が一番乗りで今年の総理大臣杯出場を決めた。気温38度を超えるシビアな環境の中、試合の舵を取ったのが、チームの心臓・MF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース/藤枝内定)だ。
立ち上がりから勢いを持って攻め込む京都橘大の攻撃をしのぐと、MF三木が攻守のバランスを上手くコントロール。選手たちは徐々にコンディションにも慣れていくと、スムーズに連動して試合を優位に進めていくようになる。18分、相手のビルドアップのパスを奪うと、速いパスワークからMF村井天(3年/飯塚高)がゴール前に差し込んだボールにFW今西佑(2年/関西大学第一高)が滑り込んで合わせ先制点を奪う。後半になると交代選手も躍動してさらに攻勢を強めていき、69分にMF真田蓮司(3年/東山高)、90+6分には三木が得点を重ね、クリーンシートで4大会連続22回目の総理大臣杯出場権を獲得した。
勝負を決める3点目を左足で見事に決めた三木は、「(真田からの)パスが良くて、1対1だったんであとは決めるだけでした」と振り返る。今季は開幕の阪南大戦でも中央から鮮やかなミドルシュートで先制点をマーク、5節・京都橘大戦では、デザインされたCKからコントロールショットで得点を奪い、目に見える形で結果も残している。「点が取れるボランチはチームに必要とされる存在だと思うんで、そこは意識しています」と攻撃への意識も高めている。
三木だけではなく、真田、和田健士朗(3年/セレッソ大阪U-18)、宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)、黒沢偲道(1年/柏レイソルU-18)と、関西大には実力あるボランチの選手が多く、ポジション争いも激しい。その中で三木はルーキーイヤーから着実に出場機会を得て、チームの要として中盤に君臨する存在となっている。「守備とかポジションとか、ゲームの中でバランス見てやれるところを評価してもらえているのかな」と本人が話すように対応力の高さも持ち味のひとつだ。

6月17日には、藤枝MYFCへの来季入団内定も発表された。他のJクラブへも練習参加したが、「藤枝は自分に合うサッカーだと思ったのと、スカウトの方が高く自分を評価してくれて、自分を必要としてくれてると感じた。このチームで自分がプレーしたらもっと上を目指せる」と加入を決断した。課題とする守備面も「プロは寄せも1個スピードが早いんで、今のうちからもっと力をつけていかないと」とさらなる成長を誓う。
ガンバ大阪ユースで同期だったFW坂本一彩(KVCウェステルロー)や、U-16日本代表を共に戦ったMF松木玖生(サウサンプトンFC)やMF山根陸(横浜F・マリノス)が上のステージで活躍する姿に、悔しさも抱えてきた。「ようやく並ぶための舞台に立てるっていうことのうれしさと、やってるぞっていう気持ちは大きいです」と意気込む。
残りの大学生活で目指すのはもちろん日本一。そして2年連続準優勝の関西学生リーグで優勝することが大きな目標だ。「自分が結果で出すのもですけど、チームが勝てるように背中で見せてみんなを鼓舞したり、プレーで見せてひっぱっていきたい」。見るものを魅了する左足のパスと、たゆまぬ献身でチームを導き、仲間たちとともに栄光と勝ち取る。


