Pickup Player 京都産業大・小野成夢(4年/愛媛FC U-18/清水内定) 半年後に立つJ1の舞台を意識して、気合を入れて臨んだ一戦。昨年からの成長を実感するクリーンシートでアップセットを達成

天皇杯初戦は欠場したDF小野成夢(4年/愛媛FCU-18/清水内定)が2回戦から復帰。ケガ明けとは思えないタフな守備を展開し、90分間堅守を維持してJ1・水戸ホーリーホック相手にジャイアントキリングを成し遂げた。

ビルドアップに貢献したDF小野

昨年の天皇杯2回戦・FC町田ゼルビア戦では、奮闘虚しく1-2の逆転負けを喫し、試合終盤では足をつってしまう選手も多く見られたが、水戸戦では最後までハードワークと堅守速攻を貫いて勝利を掴んだ。「去年から積み上がってるものを前半の立ち上がりからすごい感じていて、みんなの余裕感というか、カウンターに出るスピード感は町田戦に比べると成長した部分なのかなっていうのは、同じ J1相手に比較したときにすごく感じました」とチームとしての総力が上がったことを小野は後方から実感する。さらに、試合をとおしての被シュート数は5本だが、枠内シュート数は0本。CKは3本に抑えており、力あるJ1チーム相手に好きにプレーさせず、無失点で勝利したことは守備陣としての自信に繋がった。

サイドにボールを供給する

水戸はハイプレスから得点へつなげることが多く、今季第2節のガンバ大阪戦でもハイプレスから得点が生まれているため警戒すべき点として京産大でも共有していたが、DF陣はハイプレスを受けないよう自分たちが動かすサッカーを徹底し、ビルドアップにつなげてチャンスを生み出していた。「ビルドアップの部分は僕が得意としているところなので、選手としてそこで差を生み出さないといけないと思ってる。上手くやれた部分もあったし、(西村)想大(3年/近江高)に負担をかけてしまった面もあったので、そこを修正したらサイドの二人はもっと気持ちよくプレーできると思う」と小野は手応えとともに次に繋がる課題も得ていた。

卒業後は、小野はJ1を主戦場とすることになる。この水戸戦は自身のプレーがどれだけ通用するのかを再確認する場でもあった。「自分は清水に内定しているので、半年後この舞台に入ると考えると、自分のところでは負けてられないっていうのは自分の中で感じていましたし、みんなにも言っていたので、言った以上は本当に負けられない。相手のフォワードに対峙して差を作るっていうのは今日意識したところです」と人一倍、気合を入れて試合に臨んでいた胸の内を語った。

DFリーダーとして指示を送る

天皇杯3回戦の相手はJ1の強豪・横浜F・マリノスとなった。「絶対に難しい試合になる」と小野も話すとおり、苦戦を強いられる可能性が高い。しかし「相手どうこうというより、自分たちのぶつけられるものをマリノス相手にぶつけるっていうところが、京産大のマインド。こちらからスイッチを仕掛けに行くことが今日はできていたと思うし、マリノス戦も全員で良い積み上げをして、どれだけ自分たちのタイミングでスイッチを入れられるかだと思うので、もう一回、地に足をつけてやっていきたい」と小野は意気込みを語った。

京産大の監督・選手の誰に聞いても、「相手が誰であれやることは変わらない」という考えは一致している。この勝利の中でも全員が何かしらの課題を見つけており、アップセットを達成しても、満足しきっている選手はひとりもいない。勝利の質というものがあるのであれば、京産大は試合を重ねる毎にそのクオリティを研ぎ澄ませている。総理大臣杯でクオリティをさらに向上させて、マリノス戦でも格上を撃破することに期待したい。

試合後、酸欠で失神するほど、死力を尽くして戦い抜いた
谷口健太

京産大体育会本部編集局(京産大アスレチック)を経てフリーカメラマンとして活動。
関西の大学を中心に撮影しています。

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