週末に天皇杯予選を行ったチームにとっては中2日、中1日のハードスケジュールとなる第5節。選手層の厚さ、タフさが求められる連戦だ。
昨年もシーズン序盤はなかなか結果がでなかった阪南大だが、この日は大阪経済大の序盤の猛攻をしのぐと、11分、クリアボールを拾ったMF田中晃誠(3年/東福岡高)が放ったシュートをFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)がコースを変えて先制点を奪う。この得点で阪南大が試合の主導権を引き寄せる。追撃を狙う大経大はセットプレーで好機を作るが、決めきれない。後半も先手を取ったのは阪南大。54分にMF田中の右CKをゴール前でDF金子光汰(4年/船橋市立船橋高)が頭で合わせて追加点。さらに66分には左サイドからのパスを受けたMF篠田純之助(4年/東福岡高)が放ったシュートがポストに当たった跳ね返りをMF松井匠(4年/高知高)が詰めて点差を広げる。大経大の反撃を抑えきり、阪南大が今季リーグ初のクリーンシートで勝利を掴んだ。
関西大は中1日のタフな戦いでも、ラインを高く保って優位に試合を進めていく。しかし、ボールを保持しながらも、なかなかシュートを打ち切る場面を作りきれない。すると、15分京都橘大は中盤でボールを奪うと、大外のMF天野太陽(1年/静岡学園高)が鋭いシュートでゴールを狙うが、関西大GK山田和季(4年/近江高)が鋭い反応でセーブし、得点を許さない。拮抗した展開が打ち破られたのは39分、デザインされたCKから関西大MF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース)がミドルシュートで先取点を奪う。後半は両チームチャンスを作りながらも得点には至らず、関西大が3試合連続ウノゼロと堅守を発揮する結果となった。
大阪体育大と関西学院大は共にここまでリーグ戦負けなし。混戦のリーグから抜け出すためにも、ここで勝ち点3を奪い取りたい。速いテンポで進む試合は、18分、プレスをかけてDFからボールを奪った大体大FW佐藤陽成(4年/北海道コンサドーレ札幌U-18/札幌内定)が前進。関学大GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)も反応するが、そのこぼれ球を佐藤が奪い、中央のFW藤井斎(4年/藤枝東高)にパス。だが藤井のシュートはクロスバーを直撃し、ゴールとはならない。関学大も24分に連続でCKを獲得し、チャンスを作るが大体大も身体をはった守備で得点を許さない。後半も両チーム、ピッチで激しいバトルを繰り広げるが、どちらも集中したディフェンスで守りきり、スコアレスドロー。勝ち点1を分け合うに留まった。

開幕から好調をキープする桃山学院大は、ここまで4連続ドローとなかなか勝点を伸ばせない京都産業大と対戦。この日も23分、25分と立て続けにFW藤枝康佑(4年/東山高)が得点を決めて、桃山大が2点のリードを奪う。京産大も34分、FW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)のシュートが相手DFの手に当たりPKを獲得。FW妹尾がきっちりと決めて追い上げを開始すると、45+2分にDF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)のクロスのクリアボールをMF山村朔冬(2年/帝京長岡)が頭で押し込み、同点に追いついて前半を終了する。後半は京産大が押し込んでいく時間帯が多くなり、決定機も増えるがなかなか勝ち越し点を奪えないまま迎えた90分、DF滝口の折り返しをFW妹尾が落とし、MF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)がGKとの一対一を制してゴールに流し込み逆転。苦しみながらもようやく京産大が今季初勝利を飾った。
今年はなかなか結果をだせずに苦しんでいるのは、大阪学院大もだ。関西福祉大戦は、前半から積極的にゴールへ向かう姿勢を見せ、19分にMF鳥井禅音(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)がクリアボールを拾うと豪快にミドルシュートを叩き込み、先制する。後半になると関福大が主導権を握る。ロングスローやセットプレイから好機を作ると、64分自陣深くからの直接FKをGK杉野伸太朗(4年/大分トリニータU-18)が大院大DFのうらに通すと、MF得居大真(3年/愛媛FCU-18)が追いつき、GKをよく見て同点弾を決める。その後も勢いを持ってゴールに迫る関福大は、90分エリア内でMF松下貴要(3年/日章学園高)が倒されPKを獲得。松下が確実に決めて逆転に成功する。大院大も90+3分にCKからビッグチャンスを得るが、決めきることはできなかった。
前節は4得点で快勝した同志社大は、この日も前半はリズムを作り甲南大陣内へと攻め込むが、決定機を作りながらも決められない。すると31分同志社大のバックパスを甲南大MF岡本大生(4年/奈良育英高)が奪い、先制。43分にも同志社大がクリアしようとしたボールが甲南大の選手にあたり、こぼれた球を拾ったMF岡本がフリーのFW宮崎陽(1年/V・ファーレン長崎U-18)に出して、追加点とする。巻き返しを狙う同志社大は、58分に左サイドからドリブルで侵入しようとしたMF室勇志(4年/大阪桐蔭高)が倒されてPKを獲得。MF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)が決めて追い上げを開始するが、甲南大は80分にロングスローのこぼれ球をMF森勇聖(3年/興國高)が押し込みリードを広げると、さらに83分にはMF伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)のマイナスのパスをDF田中咲陽(2年/大阪桐蔭高)が決めて勝負を決めて勝点を11へと伸ばし、甲南大が首位に立った。
《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第5節》
▽2025/04/29 11:30 Kick off – ヤンマースタジアム長居
京都産業大 3-2(2-2) 桃山学院大
得点:’23 桃山大/藤枝康佑、’25 桃山大/藤枝康佑(蘓鉄航生)、’34 京産大/妹尾颯斗(PK)、’45+2 京産大/山村朔冬(滝口晴斗)、’90 京産大/大倉慎平(妹尾颯斗、滝口晴斗)
▽2025/04/29 14:00 Kick off – ヤンマースタジアム長居
大阪体育大 0-0(0-0) 関西学院大
▽2025/04/29 11:30 Kick off – 万博記念競技場
大阪学院大 1-2(1-0) 関西福祉大
得点:’10 大院大/鳥井禅音、’64 関福大/得居大真(杉野伸太朗)、’90 関福大/松下貴要(PK)
▽2025/04/29 14:00 Kick off – 万博記念競技場
同志社大 1-4(0-2) 甲南大
得点:’31 甲南大/岡本大生、’43 甲南大/宮崎陽(岡本大生)、’59 同志社/鹿取勇斗(PK)、’80 甲南大/森勇聖、’83 甲南大/田中咲陽(伊藤小次郎)
▽2025/04/29 11:30 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
阪南大 3-0(1-0) 大阪経済大
得点:’11 阪南大/中田有祐(田中晃誠)、’54 阪南大/金子光汰(田中晃誠)、’66 阪南大/松井匠(篠田純之助)
▽2025/04/29 14:00 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
関西大 1-0(1-0) 京都橘大
得点:’39 関西大/三木仁太(真田蓮司)
(写真協力:関西学院大学体育会サッカー部)

