19日のヤンマースタジアムの2試合は、4月にして30度近い気温を記録する暑さの中での戦いとなった。関西大vs大阪経済大は、序盤大経大が武器であるロングスローを生かして、相手ゴールへと迫る。10分にはスルーパスに抜け出したMF中本昇(2年/東海大学付属大阪仰星高)が、12分にはクリアボールのこぼれ球をFW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)がシュートを放つが、関西大もしっかりと守り切ると徐々に攻撃のリズムを掴むようになり、FW大矢瑞樹(4年/アルビレックス新潟U-18)が繰り返しビックチャンスを迎えるが、ネットを揺らすことはできない。すると28分、左サイドでボールを受けたMF北村圭司朗(3年/東山高)が強引にドリブルで前進してスペースへ出したパスをMF宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)が決めて、先制点とする。
後半は1点を追う大経大がセカンドボールを素早く奪って攻撃のギアを上げてくるが、なかなか決定的な場面につなげることができない。しかし、71分、スローインからボールを収めたFW水永に寄せたDFがハンドの判定を受けてPKを獲得。だが、ここは関西大の守護神・GK山田和季(4年/近江高)がコースを読み切りセーブ。大経大の攻撃を全員でしのぎきった関西大が勝ち点3を積み上げる結果となった。

前節、リーグ初勝利を上げた阪南大は、その勢いを持ってこの日も立ち上がりから積極的にゴールを狙う。12分にスルーパスに抜け出したMF工藤紫苑(4年/ベガルタ仙台ユース)がシュート。甲南大GK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)が弾いたボールをFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)が狙うが、再度山田がブロックしてピンチを防ぐ。20分にはFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18)がパンチ力あるシュートを放つが、ここも山田が素晴らしい反応で弾く。
前半はなかなか中盤で先手を取れなかった甲南大だが、HTにしっかりと修正をして次第に阪南大を押し込む場面を増やしていく。その攻撃が実ったのは67分。MF泉彩稀(4年/ヴィッセル神戸U-18)が左足で蹴ったCKはGKの伸ばした手の上をすとんと落ちるようにそのままゴールへ吸い込まれて先取点となる。勢いに乗る甲南大は71分にDF赤熊大和(3年/就実高)のロングスローのこぼれ球をMF泉が仕留めて追加点を上げる。阪南大も82分にFW金本のパスに抜け出したMF山田晃市(3年/四国学院大学香川西高)が前に出たGKをかわして得点。しかし甲南大は90分にリーグ初出場のルーキー・FW宮崎陽(1年/V・ファーレン長崎U-18)がプレスをかけてボールを奪いリードを広げ、勝負を決めた。

少し暑さも落ち着いた日曜日には4試合が開催。同志社大vs京都橘大は、ここまでわずか1ゴールと、得点力不足に苦しんでいた同志社大だが、この日はそれを払拭する結果で初勝利を決めた。序盤はお互いスローインからチャンスを作るが、枠を捉えられず。その中で先手を取ったのは同志社大だ。20分DF久保田琳太(4年/北海道コンサドーレ札幌U-18)のロングパスに抜け出したMF室勇志(4年/大阪桐蔭高)が倒れ込みながらも中央へ入れたボールを、MF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)が合わせて先制する。京都橘大もCKから再三チャンスを作るが、同志社大GK波多野崇史(4年/サンフレッチェ広島F.Cユース)の好セーブに阻まれる。
後半は同志社大が立ち上がりから攻勢を強め、49分に右サイドでパスを受けたMF室がドリブルで4人をかわしてそのままシュートを決めて追加点。さらに54分、右に開いたMF鹿取からのボールをエリア内で受けたMF室が倒されてPKを獲得。これをMF鹿取がきっちり決めてリードを広げると、60分にはMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)のパスを受けたFW野頼駿介(3年/桐光学園高)がGKの動きを見極めて得点を上げる。京都橘大も長短のパスを使い分けて決定機へつなげるが、反撃は実らずタイムアップとなった。
好調の桃山学院大は、ここまで2敗2分と結果が欲しい大阪学院大との対戦。試合は両チームの勢いの差が出る結果となった。桃山大はMF石橋聖也(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が両ワイドをうまく使い、攻撃のリズムを作っていく。CKを多く獲得してチャンスを作ると、15分にMF李隆志(4年/東山高)の右CKをDF土井結介(4年/ガンバ大阪ユース)がヘディングで合わせたこぼれ球を、MF蘓鉄航生(3年/ヴィッセル神戸U-18)が蹴り込み、先取点とする。大院大も、丁寧に繋いでリズムを作ろうとするが、なかなか中盤で先手を取れない。前半終了間際にようやく波状攻撃からMF遠藤楓仁(2年/ガンバ大阪ユース)がミドルシュートで狙うが、枠を捉えられない。
大院大は後半から投入されたFW肥後潤(3年/浜松開誠館高)がアグレッシブに仕掛けて好機を創出しようとするが、桃山大も高い集中力で防ぎ切ると、63分にMF厚地陽賢(3年/ルーテル学院高)のロングパスに反応したFW藤枝康佑(4年/東山高)が、うまくDFの間で受けて鮮やかに追加点を決める。終始試合を支配した桃山大が、勝ち点3を獲得し、盤石の首位キープとなった。
前節、ギリギリのところで勝ち点1をもぎ取った大阪体育大は、その勢いを持って立ち上がりから関西福祉大のゴールへ攻めにかかる。深い位置からパスをつなごうとする関福大にプレスをかけて、相手に組み立てさせない。24分に、GK長野大河(4年/立正大学淞南高)からのロングキックを、FW三島拓人(1年/立正大学淞南高)が頭で落としたボールを、FW臼田成那(2年/ノースアジア大学明桜高)がDFと競り合いながらも足を伸ばし、セーブに出たGKより先に触ってゴールへねじ込む。関福大にシュートを打たせることなく、大体大がリードして前半を終える。
48分、速いテンポでMF佐藤陽成(4年/北海道コンサドーレ札幌U-18/札幌内定)が右サイドからドリブルでエリア内に仕掛けてクロスを入れようとしたところで、相手のハンドでPKを獲得。MF佐藤が確実に決め、大体大がリードを広げる。反撃を狙う関福大も交代選手を投入してリズムを変えてくる。MF新屋颯波(1年/熊本国府高)がドリブル突破からファウルを誘い、セットプレーのチャンスにつなげていくと、85分MF松下貴要(3年/日章学園高)のCKをDF吉本篤史(2年/熊本県立大津高)が落としたこぼれ球を、DF田橋征也(2年/V・ファーレン長崎U-18)が決めて1点差とするが、反撃も届かず。大体大が守りきって勝利を手にした。

京都産業大vs関西学院大は死闘となった。前半は関学大がボールを保持しながらもシュートに持ち込めず、逆に京産大はMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)が巧みな動き出しから決定機を作るが、関学大GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)の鋭い反応に得点を奪えない。後半は、関学大が攻撃の圧力を強め、積極的にシュートを狙いに行く。FW小西春輝(4年/サガン鳥栖U-18)を投入してツートップにすることで前線のパワーを増すと、65分にMF木場拓実(4年/桐生第一高)がミドルシュートで狙うが、京産大GK徳若碧都(4年/高川学園高)がしっかりと弾き、ゴールを許さない。82分にはDF山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18)のFKにFW小西が頭で合わせるが、これもGK徳若がセーブ。両チーム、ゴールネットを揺らすことができぬままタイムアップ。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第4節》
▽2025/04/19 11:30 Kick off – ヤンマースタジアム長居
関西大 1-0(1-0) 大阪経済大
得点:’28 関西大/宮川大輝(北村圭司朗)
▽2025/04/19 14:00 Kick off – ヤンマースタジアム長居
阪南大 1-3(0-0) 甲南大
得点:’67 甲南大/泉彩稀(CKを直接)、’71 甲南大/泉彩稀、’82 阪南大/山田晃市(金本毅騎)、’90 甲南大/宮崎陽
▽2025/04/20 11:30 Kick off – ヤンマースタジアム長居
大阪体育大 2-1(1-0) 関西福祉大
得点:’24 大体大/臼田成那(三島拓人、長野大河)、’48 大体大/佐藤陽成(PK)、’85 関福大/田橋征也(吉本篤史、松下貴要)
▽2025/04/20 14:00 Kick off – ヤンマースタジアム長居
京都産業大 0-0(0-0) 関西学院大
▽2025/04/20 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
同志社大 4-0(1-0) 京都橘大
得点:’20 同志社/鹿取勇斗(室勇志)、’49 同志社/室勇志、’54 同志社/鹿取勇斗(PK)、’60 同志社/野頼駿介(馬場啓太朗)
▽2025/04/20 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
大阪学院大 0-2(0-1) 桃山学院大
得点:’15 桃山大/蘓鉄航生(土井結介、李隆志)、’63 桃山大/藤枝康(厚地陽賢)

