雨模様となったGWの最終日。ハードコンディションでの連戦だが、各チーム熱量高く見ごたえのある試合を展開した。
前節、首位に立った関西大は京都産業大との対戦。序盤は京産大がチャンスを作るが、徐々に関西大がペースを握って優位に試合を進めていく。しかし、24分、バックパスを受けた関西大GK山田和季(4年/近江高)が大きく蹴り出そうとしたボールが、京産大の選手に当たった跳ね返りを京産大FW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)がすかさず奪うと冷静にゴールへ沈め、先制に成功する。思わぬ形で失点を喫した関西大はボールを保持する時間は多いが、シュートに持ち込む場面をなかなか作れないまま前半を終了する。後半、関西大はFW大矢瑞樹(4年/アルビレックス新潟U-18)とFW兎澤玲大(2年/京都サンガF.C.U-18)を投入し、攻撃の圧力を高めていく。61分、MF真田蓮司(3年/東山高)の左CKをDF髙橋哲也(3年/東海大学付属大阪仰星高)がヘッドで叩き込み同点とすると、82分にはMF真田とのワンツーで抜け出したDF桑原航太(3年/帝京長岡高)のマイナスのパスを、FW兎澤が合わせて関西大が逆転に成功する。京産大も85分、MF田代紘(3年/ヴィッセル神戸U-18)が思い切りよくミドルシュートを放つが、関西大DFのブロックにゴールを割ることはできない。関西大が堅守で勝利し、首位をキープした。

阪南大vs関西学院大も激しいゲームとなった。3分に阪南大はFW角田颯磨(3年/高知中)のシュートをFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)が押し込み先制かと思われたが、これはオフサイド。阪南大の連続CKをしのいだ関学大は、16分スローインを受けたFW山本吟侍(2年/高川学園高)がボールをおさめてパスを出すと、MF長滝谷洸斗(3年/近江高)が勢いのあるミドルシュートを放つと、GKがこぼしたところをMF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)が流し込み、先取点とする。阪南大も21分にMF松本楓悟(4年/阪南大学高)のパスからFW角田がビッグチャンスを迎えるが、関学大DFのカバーリングに防がれる。1点を追う阪南大は後半からFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18/C大阪内定)を投入し、攻撃の圧力を高めてくる。すると60分、MF秋末翔也(1年/宮崎日本大学高)の直接FKをDF金子光汰(4年/船橋市立船橋高)が頭で落としたボールがDFの裏に出たところを、FW角田が巧みに決めて阪南大が同点に追いつく。攻め込まれる時間が増える関学大だが、集中した守備から素早く攻撃へと転じると、74分に相手ペナルティエリアの外で直接FKを獲得。これをMF先田が見事なコントロールで左上隅に叩き込み、勝ち越し点とする。その後の阪南大の攻撃をしのぎきり、関学大が勝ち点3を獲得して2位へと浮上した。

前節、2点のビハインドを追いついた京都橘大は好調をキープする桃山学院大と対戦。互角の展開から先手を取ったのは京都橘大。26分にMF住芳樹(2年/京都サンガF.C.U-18)がルーズボールを奪うと、桃山大DFラインの裏へ入れたロングボールを受けたFW松村尚樹(4年/鹿島学園高)が、GKをよく見てゴールを奪う。桃山大も30分に左サイドからMF李隆志(4年/東山高)が仕掛けてゴール前へと送ったボールを、逆サイドのMF田村遊吏(2年/履正社高)が走り込んで決めて同点とする。勝ち越し点となったのは59分、京都橘大DF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)がドリブルでエリア内へ侵入しようとしたところを倒され獲得したPKをFW松村がきっちりと決める。桃山大もサイド突破からチャンスを作るが、京都橘大が守りきってリーグ戦初勝利を上げた。
同志社大と関西福祉大の対戦は、関福大が試合開始から勢いある攻撃で同志社大ゴールへと攻め込む。同志社大はGK祓川ダニエル(4年/同志社高)を中心にピンチをしのぐと、テンポの良いパスワークからFW野頼駿介(3年/桐光学園高)が振り向きざまのシュートを決めて、29分に先制点を奪う。後半になると、同志社大はリズムある試合運びを見せ、70分にDF鈴木琉世(2年/北海道コンサドーレU-18)のマイナスのパスを受けたMF西川桂太(2年/京都橘高)が相手の股を抜く巧みなシュートで追加点。90+6分にはMF前田一勇(4年/星稜高)が自ら獲得したPKを決めて勝負を決定づけるゴールを上げ、リーグ2勝目を掴み取った。
開幕戦の勝利のあとは、勝点を伸ばせずいる大阪経済大は、ここまで無敗の大阪体育大との一戦。両チームともフィジカルの強さとスピーディなサッカーを持ち味として、スタートから激しくぶつかり合う。その状況の中、先取点を奪ったのは大経大だ。27分、MF宮地陸翔(1年/京都橘高)のパスに抜け出したFW下崎琉宝(3年/興國高)がラインギリギリまでえぐって折り返したボールを、MF山本諒(1年/近江高)がゴールへとねじ込む。大体大もすぐさま反撃。MF熊澤伶(4年/帝京大学可児高)が右サイドからゴール前へと送ったパスを、MF竹川奏(4年/岡山学芸館高)が決めて同点とする。しかし、どちらもアグレッシブにボールを奪い、得点を目指すも決定機を創出するには至らず、互いに勝ち点1を分け合うに留まった。
両チームとも最終ラインから組み立ててつないで相手ゴールへと向かう展開を模索した大阪学院大と甲南大の試合は、18分に大院大はスルーパスに抜け出したFW青木玲(4年/大阪学院大学高)がビッグチャンスを迎えるが、ここは甲南大GK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)が左手で弾き、失点を防ぐ。その後も波状攻撃で得点を狙った大院大だが、甲南大も集中した守備で守りきり、前半を折り返す。試合が動いたのは48分。MF庄大空(2年/静岡学園高)がテクニカルなドリブルでボールを持ち込み、ファーサイドへクロス。FW北田統士(4年/大阪学院大学高)がヘッドで決めて大院大がリードを奪う。甲南大もロングスローやセットプレイからチャンスを作るが、大院大はGK加藤里玖都(2年/香里ヌヴェール学院高)が的確なセービングでゴールを死守。今季初の無失点試合でリーグ初勝利に華を添える結果となった。
《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第7節》
▽2025/05/06 11:30 Kick off – たけびしスタジアム京都
関西大 2-1(0-1) 京都産業大
得点:’24 京産大/妹尾颯斗(福永裕也)、’61 関西大/髙橋哲也(真田蓮司)、’82 関西大/兎澤玲大(桑原航太)
▽2025/05/06 14:00 Kick off – たけびしスタジアム京都
阪南大 1-2(0-1) 関西学院大
得点:’16 関学大/先田颯成、’60 阪南大/角田颯磨(金子光汰、秋末翔也)、’74 関学大/先田颯成(FKを直接)
▽2025/05/06 12:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
京都橘大 2-1(1-1) 桃山学院大
得点:’26 京都橘/松村尚樹(住芳樹)、’30 桃山大/田村遊吏(李隆志)、’59 京都橘/松村尚樹(PK)
▽2025/05/06 14:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
同志社大 3-0(1-0) 関西福祉大
得点:’29 同志社/野頼駿介(鹿取勇斗)、’70 同志社/西川桂太(鈴木琉世)、’90+6 同志社/前田一勇(PK)
▽2025/05/06 11:30 Kick off – 大阪体育大学人工芝サッカー場
大阪体育大 1-1(1-1) 大阪経済大
得点:’27 大経大/山本諒(下崎琉宝)、’34 大体大/竹川奏(熊澤伶)
▽2025/05/06 14:00 Kick off – 大阪体育大学人工芝サッカー場
大阪学院大 1-0(0-0) 甲南大
得点:’48 大院大/北田統士(庄大空)

