6月7日、8日より1部リーグチームも関西選手権がスタートするため、第10節でリーグ戦は一旦中断となる。各チーム、全国大会への切符を掴むためにも良い形で関西選手権へとつなげたいところだ。
京都産業大は天皇杯出場のため、5月28日にリーグ戦を行い、中2日のハードスケジュールで大阪学院大との対戦を迎えた。試合は9分、大院大はFW青木玲(4年/大阪学院大高)が右サイドから中央へと侵入してゴール前へと入れたパスに、FW北田統士(4年/大阪学院大高)が走り込んで合わせ、先制点とする。京産大も前半ATにMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)が倒されて得た直接FKから波状攻撃を仕掛けるが、大院大も固い守りで得点を許さない。50分には、左サイドでMF鈴木聡太(2年/セレッソU-18)とのワンツーから抜け出したMF庄大空(2年/静岡学園高)が侵入してシュートを放つと、京産大DFの防いだこぼれ球をFW北田が決めて、大院大が追加点を奪う。追う京産大はMF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)やFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)の積極的なプレーで好機を作ると、78分にMF末谷が左から仕掛けたプレーでPKを獲得する。しかし、MF末谷のキックはバーを叩き、得点ならず。大院大が今季リーグ2勝目を上げる結果となった。

ともに前節勝利した勢いをつなげたい同志社大と桃山学院大の対戦は、開始早々に試合が動く。7分、MF李隆志(4年/東山高)がファーサイドへ入れた右CKにDF平田大也(4年/岡山学芸館高)がヘッドで合わせて、桃山大が先制する。同志社大はFW鹿取勇斗(4年/桐光学園高)が核となり、攻撃を組み立てていくがシュートまで持ち込むことができない。後半も桃山大が立ち上がりにセットプレーからチャンスを作る時間帯が続くが、それをしのいだ57分、FW野頼駿介(3年/桐光学園高)がドリブルで左サイドをえぐり、DFをかわして出したパスをFW鹿取が仕留めて同志社大が同点に追いつく。さらに60分、同志社大は相手からボールを奪ったFW河野朔也(2年/履正社高)がミドルシュートを突き刺し、一気に逆転する。桃山大も交代選手を投入してリズムを変えようとするが、72分前線でボールをおさめたFW野頼が冷静にDFの裏に出したパスをMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)が持ち込んで決め、リードを広げる。その後の桃山大の反撃を防ぎきった同志社大が今季リーグ初の連勝を飾り、3位へ浮上した。

前節、快勝した京都橘大だが、この日は序盤から大阪経済大と互角の展開が続く。スピーディな展開で攻める大経大は、34分にDF森厚達(4年/徳島ヴォルティスユース)のマイナスのボールを、MF桑原颯太(2年/横浜F・マリノスユース)がコントロールショットを放つが、京都橘大GK岡田修樹(4年/京都サンガF.C.U-18)のセーブに阻まれる。37分にもMF桑原(颯)が狭いコースを狙うが、ここもGK岡田が好セーブで防ぐ。45分にはFW下崎琉宝(3年/興國高)のパスを受けたFW山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)が決定機を作るが、GK岡田の好判断の前に得点ならず、スコアレスで折り返す。後半も立ち上がりから大経大が猛攻を仕掛けるが、京都橘大も高い集中力で防ぎ切ると、59分中盤でボールを奪ったFW小橋川海斗(3年/米子北高)が持ち上がり、最後はFW伊原快(2年/玉野光南高)がシュートするが、これは大経大GK吉野顕二(1年/宮崎日本大学高)の正面に。両チーム、速い攻守の切り替えから激しいバトルを繰り広げたが、ともに得点は奪えず勝ち点1を分け合うに終わった。
先週の敗戦の教訓を生かしたい関西福祉大は、甲南大の幅を使った攻撃に粘り強く対応しながら、MF小幡季生(3年/ガンバ大阪ユース)とMF茂木碧生(3年/前橋育英高)の展開からチャンスを模索する。16分、MF日置陽人(2年/熊本県立大津高)の左CKをDF吉本篤史(2年/熊本県立大津高)がヘッドでゴール前に落とすと、DF鞘本嶺(4年/神戸弘陵学園高)が頭で逸らして決め、関福大が先制する。セットプレイやロングスローで甲南大も相手ゴールに迫るが、関福大のリードで前半を折り返す。連敗を回避したい甲南大は、後半より攻撃の圧を増していく。74分、甲南大は波状攻撃からMF岡本大生(4年/奈良育英高)がゴール前に入れたクロスにDF赤熊大和(3年/就実高)が頭で合わせて同点弾とする。77分にもロングスローからこぼれ球を甲南大DF峰沢悠月(2年/就実高)がゴールへ押し込むが、ここはオフサイドで勝ち越しならず。関福大も90+2分にDF片木泰希(3年/青森山田高)のパスに走り込んだMF茂木がシュートを放つが枠を捉えることはできず、ドロー決着となった。
大阪体育大はこの時期、上級生が教育実習で不在。この日もこれまでリーグ出場機会がなかった選手たちが、チャンスを与えられる場となった。スタートから大体大はロングボールで阪南大陣内へと押し込むと、MF高萩優太(2年/帝京長岡高)のシュートが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得する。これをMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)が左にしっかりと決めて、先手を取る。主導権を取り戻したい阪南大だが、大体大のテンポの速いサッカーの前になかなか中盤でリズムを作ることができない。後半は、阪南大がボールを保持する時間も増えるが、大体大の守備を崩し切るには至らない。終了間際にも怒涛の攻撃を仕掛けた阪南大だが、大体大の身体を張ったブロックに防がれて無得点のままタイムアップとなった。

関西大と関西学院大の試合は、第48回総合関関戦、第70回関関サッカー定期戦も兼ねた開催となり、学生たちが企画する様々なイベントも行われる中、多くの観客が足を運ぶにふさわしい一戦となった。関学大が主導権を握って試合を進めると、22分、関西大陣内左サイドの攻防から、クリアボールをMF篠原駿太(4年/神村学園高)がボールを奪うとドリブルで巧みに相手をかわして前進し、GKのニアを左足で打ち抜き先制点を決める。失点を許した関西大もMF宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)が中盤をコントロールして徐々に流れを引き寄せる。後半は立ち上がりから関西大の時間帯が続く。60分にはロングボールに抜け出したMF村井天(3年/飯塚高)がDFをかわしてシュートを放つが、わずかに枠の外へ。72分にはMF宮川のスルーパスを受けたFW堀颯汰がゴールを狙うが、これもバーの上となる。すると77分、中盤でボールを奪ったMF北村圭司朗(3年/東山高)がDFの裏へ出したパスにFW今西佑が抜け出し、GKの頭上を超えるループシュートでついに関西大が同点に追いつく。だが直後の78分、関学大がMF篠原が関西大DF吉村瑠晟(4年/神戸弘陵学園高/磐田内定)と競り合いながら右サイドでキープして出したヒールパスを、オーバーラップしてきたDF山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18)が受けようとしたところをDF吉村が倒し、2度目の警告で退場処分となってしまう。このファウルによる直接FKをDF西田祐悟(4年/阪南大学高)がヘッドで叩き込み、関学大が勝ち越し。さらに90+2分にもFW小西春輝(4年/サガン鳥栖U-18)が勝負を決定づける3点目を決め、関学大が勝利。この結果、関西大と関学大は勝ち点が並び、得失点差で関学大が首位となった。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第10節》
▽2025/05/31 11:30 Kick off – ヤンマーフィールド長居
阪南大 0-1(0-1) 大阪体育大
得点:’4 大体大/佐野竜眞(PK)
▽2025/05/31 14:30 Kick off – ヤンマーフィールド長居
関西大 1-3(0-1) 関西学院大
得点:’22 関学大/篠原駿太、’77 関西大/今西佑(北村圭司朗)、’80 関学大/西田祐悟(山本楓大)、’90+2 関学大/小西春輝(棟近禎規、篠原駿太)
▽2025/05/31 11:30 Kick off – アクアパルコ洛西
京都産業大 0-2(0-1) 大阪学院大
得点:’9 大院大/北田統士(青木玲)、’50 大院大/北田統士
▽2025/05/31 14:00 Kick off – アクアパルコ洛西
同志社大 3-1(0-1) 桃山学院大
得点:’7 桃山大/平田大也(李隆志)、’59 同志社/鹿取勇斗(野頼駿介)、’60 同志社/河野朔也、’72 同志社/馬場啓太朗(野頼駿介)
▽2025/05/31 13:30 Kick off – 大阪経済大学摂津キャンパスグラウンド
大阪経済大 0-0(0-0) 京都橘大
▽2025/05/31 16:00 Kick off – 大阪経済大学摂津キャンパスグラウンド
甲南大 1-1(0-1) 関西福祉大
得点:’16 関福大/鞘本嶺(吉本篤史、日置陽人)、’74 甲南大/赤熊大和(岡本大生)

