《天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会1回戦》
▽2025/05/24 13:00 Kick off – たけびしスタジアム京都
京都産業大 3-1(0-0) 守山侍2000
得点:’58 守山侍/大嶋佑、’61 京産大/西川宙希、’70 京産大/大倉慎平、’90 京産大/伊藤翼
天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会が5月24日に開幕した。京都FAカップ決勝では、延長戦で劇的勝利を収めて出場権を獲得した京産大は、滋賀県代表の守山侍2000と対戦。58分に先制を許したが、 一気の3ゴールで逆転し、初の2回戦進出を果たした。
前半は守山侍2000の攻撃が続き、我慢の時間が続いた。京産大は中央にボールを集め反撃を狙うが、相手の速いプレッシャーに対応できずボールを繋げることができない。さらに守山侍2000は前半の途中にシステムを4-4-2から4-1-4-1に変更。ゾーンディフェンスに特化することで京産大に決定機を作らせないことを意識した。システム変更後に守山侍2000のカウンター攻撃でゴールに迫られる場面が多く見られたが、京産大は集中力を保ちながら堅守を維持して前半を折り返した。
ハーフタイムに「攻撃に関しては物足りない。相手が嫌がるプレーをしよう」と指示を送った京産大・吉川拓也監督は、MF福永裕也(2年/京都橘高)に代えて推進力のあるFW森田皇翔(1年/ヴィッセル神戸U-18)を投入。すると前半とはうって変わり、サイドからスピードを活かした攻撃を仕掛け、DF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)を筆頭にオーバーラップでチャンスメイクする展開が見られた。
58分に京産大はCKからボールを押し込まれ失点するが、直後の61分にDF田代紘(3年/ヴィッセル神戸U-18)のシュートのこぼれ球をDF西川がペナルティエリア外から放ったミドルを決めて同点とした。「運よくボールがこぼれて来て、あそこは足を振るしかないと振ったら、いいところに飛んでいって入った」とゴールシーンを振り返った西川は、その後もサイドから積極的に攻撃を仕掛け続けると、70分に相手の守備をかわして放ったクロスでMF大倉の逆転ゴールのアシストも記録した。
逆転に成功した京産大はMF伊藤翼(3年/セレッソ大阪U-18)、MF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)、FW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)を投入。この交代は「70分から相手の運動量が落ちる」という分析からプランに組み込んでいたもので、さらにMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)も投入して攻撃のリズムを一新。サイドにボールを集める攻撃スタイルで相手の守りを崩すと、試合終了間際の90分にCKを獲得。左CKをDF小野成夢(3年/愛媛FCU-18) が頭で逸らすとMF伊藤が合わせて3点目を決めて、試合終了。見事な逆転劇で史上初の2回戦進出を果たした。
2回戦の相手はJ1のFC町田ゼルビア。昨年Jリーグで3位という結果を残した相手だが、「もうどこからどう見ても、基本的にはチャレンジャーになってくる。90分本当にひたむきに、アグレッシブにやるっていうところが我々のスタイルでもある。自分たちのスタイルがJ1のトップのチーム、選手たちにどれだけ通用するのかとが、すごく楽しみでもありますし、学生たちからしてみたら、『全然届かない場所にJ1選手いるな』なのか、『少し努力をしたら(届く)』っていうのが見えるゲームになると思うので、そういったところを本当に味わえる場所でもあると思う。京産の歴史をどんどん積みたいという思いもあるので、本当に勝つ。それだけです」と吉川監督は強気の表情で意気込みを語った。
昨年は筑波大がPK戦の末にFC町田ゼルビアを下してジャイアントキリングを成し遂げており、J1チームが相手だろうと何が起こるか分からない。学生としての強みを最大限発揮して勝利を掴み取って欲しい。

