《「アミノバイタル®」カップ2026 第55回 関西学生サッカー選手権大会 5-6位決定戦》
▽2026/06/24 14:30 Kick off – 万博記念競技場
甲南大 2-2(1-1/1-1/0-0/0-0/PK7-6) 立命館大
得点:’24 甲南大/森勇聖(伊藤小次郎)、’30 立命大/野見明輝(良知英祥)、’76 立命大/野見明輝(伊澤翔登)、’90 甲南大/濱田蒼太(鳥住仁生)

創部以来、初となる総理大臣杯出場という新たな歴史を刻んだ。「一致団結して目標に向かえた」と松岡亮輔監督が力をこめるように、すべての学生の力を結集して結果を手繰り寄せた。
入りこそ両チームが慎重な試合運びを見せたが、MF森勇聖(3年/興國高)のゴールで24分に甲南大が先制すると、立命館大も30分にFW野見明輝(3年/広島国際学院高)が決めてすぐさま同点とする。だが32分、立命大MF吉田遥海(3年/京都サンガF.C.U-18)が左サイドからゴール前に送ったボールをクリアしようとしたDF片山敬介(4年/飯塚高)のプレーが決定機阻止と判断されてレッドカードが提示され、立命大にPKが与えられる。このピンチを甲南大の守護神GK足立優(4年/ガンバ大阪ユース)が救った。相手のキックをしっかりと見極めてはじくと、詰める立命大のシュートも全員で防ぎ切り、失点を許さない。そこには「PKは得意なわけじゃないけど、(片山)敬介が与えたPKは今まで全部止めています」と足立が話すように、互いのミスをカバーして支えあってきたチームの信頼関係があった。

数的不利を強いられることになった甲南大だが、3バックから両ウイングを下げて4枚で守る形に変更。4-4-1のシステムで、相手の攻撃をしのぎつつチャンスを探っていく形を狙う。しかし76分、ロングボールに抜け出した立命大FW野見にDFがかわされ、足立も前に出たところを外されてそのまま無人のゴールに流し込まれてしまう。痛恨の失点を足立は「あれはもう僕のミス。ずっと前半から耐え忍んでくれてたんで、すごい申し訳ないなと思った」と振り返る。
「味方を信じて3点目行かせへんことだけ考えてはやってました」という足立の言葉が実ったのは、90分。スルーパスを受けたFW濱田蒼太(4年/サンフレッチェ広島F.Cユース)がGKの頭上を越える技ありシュートで同点に追いつく。「立命は追加点を取りに来る。奪ったらどんどんスルーパスを出していこう」という松岡監督の指示がピタリとはまり、土壇場で試合をふりだしに戻した。延長では立命大に攻め込まれる場面が続き、足立を中心に身体を張って守る。GKの頭上を越えるシュートであわや失点という場面もあったが、MF伊藤小次郎(3年/V・ファーレン長崎U-18)のスーパークリアで得点を許さず、総理大臣杯出場権はPK戦へと託されることになった。
互いに6人ずつが成功し、先攻の立命大7人目のキックを足立が横っ飛びで見事にストップ。甲南大はMF鳥住仁生(2年/滝川高)がしっかりと枠におさめて、総理大臣杯初出場を決めた。「相手もPKうまかったです。でも味方が粘って決めてくれていたんで、1本は止めないとなと思ってました。『自分たちの代で歴史を作ろう』と目指してこの試合までに取り組んできたので、達成できて本当にうれしい」と守備のヒーローは笑顔を見せた。

レノファ山口への内定が決まっているチームのエース・諏訪晃大(4年/桐生第一高)がケガで離脱中。この日はさらに早い時間にDFの要である主将の片山を欠くという非常事態を全員で戦い抜いた。松岡監督は「学生たちはみんな真面目でがんばる。でも力の入れ具合をもっと考えて頭を使ってやっていかないと。だけど細かいところを怠らないことが、最後にああやって喜びに変わった。ひとついい経験ができたかなと思います」と手ごたえを口にする。総理大臣杯をつかみ取ったが、リーグ戦では現在10位に位置する苦しい状況。足立も「勝って浮つく気持ちもあるけど、正直今日の内容も別に良かったわけじゃない。しっかり反省して、まずはリーグの残り2節、勝つことに集中したい」と気を引き締める。夏を意味あるものにするためにも、前期を良い形で締めくくり、総理大臣杯へとつなげていきたい。
