総理大臣杯も終了し、関西学生リーグも後期がスタート。夏の間に積み重ねてきた成果を各チームがリーグの中で結果とするために、どの試合も激しいバトルとなった。
甲南大vs大阪経済大は、立ち上がりから甲南大が主導権を握って試合を進める。すると13分、大経大がDFの裏へ出してきたボールをDF片山敬介(3年/飯塚高)が大きく前へと蹴りだすと、逆に大経大DFラインの裏へと通り、MF伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)が追いつくと、GKの頭上を越える技ありシュートでゴールネットを揺らして甲南大が先制する。追いつきたい大経大だが、26分に甲南大DF赤熊大和(3年/就実高)のロングフィードに抜け出したFW大西悠斗(4年/兵庫県立有馬高)を倒したDF横窪皇真(1年/東海大学付属大阪仰星高)が退場となり数的不利で戦うこととなる。甲南大はここで畳みかける。31分、右サイドからのクロスをMF森勇聖(3年/興国高)がゴール前でつなぐと、FW大西がヘディング。こぼれたところをMF伊藤が詰めて、甲南大がリードを広げる。さらに66分にもCKからMF森が決めて突き放した。大経大は69分にFW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)のゴールで1点を返すにとどまり、甲南大が勝利を飾った。
今節唯一のドローとなったのが、同志社大vs大阪学院大の一戦。序盤、大院大がパスをつないで同志社大陣内へ攻め込むが、先手を取ったのは同志社大。9分、FW野頼駿介(3年/桐光学園高)がドリブルで仕掛けて放ったシュートを大院大GK加藤里玖都(2年/香里ヌヴェール学院高)がはじくも、こぼれ球をMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)がヘッドで押し込みゴールを奪う。しかし、大院大も直後の11分、CKからDF岡田佳己(4年/京都橘高)がヘッドで落としたボールがDFに当たったこぼれをMF鳥井禅音(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が蹴りこみ、即座に同点に追いつく。その後は両チーム、好機を作るものの、決めきれず。リーグ再開の初戦は勝ち点1を分け合うに終わった。
総理大臣杯準優勝の関西学院大は、京都橘大との対戦。関西選手権5-6位決定戦では接戦となったこのカードだが、前半は前回の対戦とは大きく様相が異なった。4分、MF長滝谷洸斗(3年/近江高)からパスを受けたMF三宅凌太郎(4年/帝京長岡高)がニアに鮮やかなミドルシュートを決めて関学大が早々に先制する。その後も強度高く京都橘大のパスワークをはめて奪い、関学大が試合を優位に進めていくと、21分、CKの競り合いでDF古田東也(3年/V・ファーレン長崎U-18)が倒され、PKを獲得。これをMF三宅がしっかりと決めて追加点。45+3分にはMF木場拓実(4年/桐生第一高)がドリブルで駆け上がり逆サイドへ展開したパスを受けたDF鈴木慎之介(4年/米子北高)がゴール前に入れると、FW小西春輝(4年/サガン鳥栖U-18)が仕留め、関学大が3点をリードして前半を終える。
後半は京都橘大がまず流れを掴む。51分、DFの間でパスを受けたMF天野太陽(1年/静岡学園高)がGKの上を抜くコントロールショットで反撃を開始する。だが、関学大も53分にCKをFW小西がヘッドで叩きつけて、再度リードを広げるが、京都橘大は56分に関学大DFラインのパスミスを奪ったMF鎌田翔大(4年/京都橘高)が冷静に決めて2点差に詰め寄る。その後も京都橘大はテンポよくボールをつなげて攻め込むが、関学大も集中してこれをしのぐと、90+3分にもCKからFW小西が得点してハットトリックを達成して勝利を決定づけた。

大阪体育大はMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)の活躍が桃山学院大を倒す大きな力となった。15分、試合を優位に進めていた大体大はFW上岡士恩(1年/広島県瀬戸内高)が縦に出したパスを受けたFW三島拓人(1年/立正大学淞南高)がスプリントして追いつきシュートを放つ。桃山大GK森脇勇人(3年/ジュビロ磐田U-18)がブロックするもこぼれ球をMF佐野が押し込み、得点とする。38分には左サイドをドリブルで疾走したMF佐野がGKとの一対一を制して追加点を上げる。桃山大は43分に右サイドからのパスをゴール前でFW藤枝康佑(4年/東山高/松本内定)がキープし、最後はMF李隆志(4年/東山高)が決めて追い上げる。後半は桃山大も決定機を作るが、大体大の守備を崩せず、2-1で大体大が勝利した。
早い時間に試合が動いたのは、阪南大vs京都産業大もだ。5分、後方からのフィードを受けたMF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)がゴール前に走り込んだFW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)に絶妙のパス。FW高川が確実に仕留めて先取点を奪う。FW高川は12分にもDF小野成夢(3年/愛媛FCU-18)からのロングボールを受けて、早々とこの日2点目を上げる。阪南大もCKからの波状攻撃でDF川端元(3年/履正社高)が入れたクロスをFWリ・トビン(4年/藤枝明誠高)がGK前でコースを変えて1点差に詰め寄ると、後半開始直後にゴール前でFWリが倒されて得たPKをFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18/C大阪内定)が決めて試合をふりだしに戻す。同点とされた京産大は、52分にMF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)がドリブルで一気に駆け上がるとゴールを陥れすぐさま勝ち越し。阪南大の猛攻をしのぎきった京産大が、関西選手権決勝のリベンジを果たし、順位をひとつ上げる結果となった。
チーム内にケガ人が多い中、クオリティの高さを発揮したのが関西大だ。選手たちがうまく連動してパスを引き出し、試合の主導権を握る。関西福祉大もしっかりと耐えて対応していたが、20分、MF黒沢偲道(1年/柏レイソルU-18)がドリブルで持ち上がると、DFの裏に抜けたFW堀颯汰(2年/帝京長岡高)へ絶妙のパス。FW堀のヒールパスをFW日笠蓮康(2年/ガンバ大阪ユース)が決めて先取点。41分にはMF真田蓮司(3年/東山高)のパスに抜け出したMF宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)がニアを打ち抜き追加点を奪う。72分にも連動した動きから最後はDF藤谷温大(1年/柏レイソルU-18)が決めてリードを広げる。関西福祉大もスピーディな展開からゴール前まで持ち込む場面を作るが、関西大は身体を張ったブロックで得点を許さない。クリーンシートで勝ちきった関西大が首位をキープした。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ後期第1節》
▽2025/09/20 11:30 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
関西学院大 5-2(3-0) 京都橘大
得点:’4 関学大/三宅凌太郎(長滝谷洸斗)、’21 関学大/三宅凌太郎(PK)、’45+3 関学大/小西春輝(鈴木慎之介、木場拓実)、’51 京都橘/天野太陽(住芳樹)、’53 関学大/小西春輝(三宅凌太郎)、’56 京都橘/鎌田翔大、’90+4 関学大/小西春輝(内田康介)
▽2025/09/20 14:00 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
関西大 3-0(2-0) 関西福祉大
得点:’20 関西大/日笠蓮康(堀颯汰)、’41 関西大/宮川大輝(真田蓮司)、’73 関西大/藤谷温大(堀颯汰、真田蓮司)
▽2025/09/20 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
甲南大 3-1(2-0) 大阪経済大
得点:’13 甲南大/伊藤小次郎(片山敬介)、’31 甲南大/伊藤小次郎(大西悠斗)、’66 甲南大/森勇聖(泉彩稀)、’69 大経大/水永直太朗(山本青英、道倉悠聖)
▽2025/09/20 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
同志社大 1-1(1-1) 大阪学院大
得点:’9 同志社/馬場啓太朗、’11 大院大/鳥井禅音
▽2025/09/20 11:30 Kick off – アクアパルコ洛西
桃山学院大 1-2(1-2) 大阪体育大
得点:’15 大体大/佐野竜眞、’38 大体大/佐野竜眞、’43 桃山大/李隆志(藤枝康佑)
▽2025/09/20 14:00 Kick off – アクアパルコ洛西
阪南大 2-3(1-2) 京都産業大
得点:’5 京産大/高川諒希(大倉慎平、逵村健斗)、’12 京産大/高川諒希(小野成夢)、’21 阪南大/リ・トビン(川端元、金本毅騎)、’47 阪南大/金本毅騎(PK)、’52 京産大/滝口晴斗

