グループAは、第3節の勝敗で大きく順位が変動する大混戦となった。
最初に試合の主導権を握ったのは東海選抜。MF樋口有斗(中部大2年/埼玉栄高)の攻守における気の利いたプレーと、MF武藤寛(中京大3年/船橋市立船橋高/愛媛内定)の変化をつける攻撃を組み立てで、決定機を作る。12分には武藤からMF那須健一(中京大3年/賢明学院高)へとつなぎ、FW佐藤翼(静岡産業大2年/大分高)がゴールを決めるがこれはオフサイドの判定となる。U-20全日本選抜も徐々にリズムを取り戻すと、34分に左サイドを攻略して最後はFW中田有祐(阪南大2年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)がシュートを放つが、これはわずかに枠の外へ。すると42分、右サイドをMF武藤がドリブルで持ち上がり、出したパスをFW佐藤がゴール前でうまく流し込み、東海選抜が先制する。
後半に入っても、東海選抜がボールを保持する時間帯が続く。U-20全日本選抜は中盤を飛ばす展開になってタメを作れていなかったが、DF小池春汰(筑波大1年/横浜F・マリノスユース)とDF常藤奏(中央大2年/興國高)の両SBがスプリントを繰り返してサイドから状況の打開を図る。その対応が功を奏し、中盤でボールを奪ったパスを受けたDF小池がMF松村晃助(法政大2年/横浜F・マリノスユース/横浜FM内定)とのワンツーから抜け出して同点弾を決める。その直後にサイドからボールを受けて抜け出そうとしたFW小湊絆(法政大2年/青森山田高/FC東京内定)がエリア内で倒されてPKを獲得。これを小湊が冷静に決めて瞬くうちに逆転に成功。2得点で勢いを取り戻したU-20全日本選抜は、東海選抜の先手を取る動きで試合の流れを完全に掌握。東海は87分にMF清水和馬(常葉大3年/静岡学園高)が2枚目の警告で退場となり、苦しい状況に追い込まれる。
U-20全日本選抜が大会初勝利を上げて、グループ3位へ。東海選抜は、痛恨の逆転負けでグループ最下位となり、順位決定戦に本大会残留の望みをつなぐことになった。