Pickup Player 関西学院大・山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18/京都内定)「攻撃的なサイドバックを目指している。(濃野)公人くんのプレーを参考にしながらも、自分の良さを武器として出していければ」

京都サンガは、9月19日に関西学院大DF山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18)の2026/27年シーズン(2027/01月)加入内定を発表した。

右サイドで突出したプレーを見せるSB山本は、大学ではルーキーイヤーからコンスタントに出場機会を得ており、関西学生選抜にも選出。今年度前期リーグでは5アシストとアシストランキングの2位に位置し、先ごろ開催された総理大臣杯でも5試合すべてに出場して、準優勝にも大きく貢献している。

関西学院大出身の右SBといえば、鹿島アントラーズで活躍する濃野公人を思い浮かべる人も多いだろう。山本は濃野の3学年下になり、2年前には濃野とポジションも争った。「公人くんにプロのサイドバックがどんな感じか聞いたりしています。公人くんのプレーを参考にしながらも公人くんにない自分の良さを武器として出していければと」と力をこめる。

自身が一番の強みとするのは、右利きだが両足が遜色なく使えることだ。大学や関西選抜でも左SBをそつなくこなす器用さを見せている。しかし「右では違いを出せるけれど、左では迫力あるプレーがまだ出せない」と課題も十分自覚して日々取り組んでいる最中だ。

推進力があり、攻守で労を惜しまない献身的なプレイヤー。関学大・早崎義晃監督も「トレーニングでも100%を出して、常に準備を怠らない闘える選手」と信頼は厚い。元々は攻撃的なポジションの選手であったが、中学生年代に現在のポジションへとコンバートされた。「中学のときは『前でやらせてほしい』と監督に言いに行ったこともある」と笑いながら話す山本だが、高校生になってからは「サイドバックでプロに行くのが一番現実的」とポジティブに切り替えて実力を蓄えてきた。

アカデミー時代を過ごした鳥栖へも練習参加したが、「鳥栖に戻りたい気持ちもあったけど、自分の目標から逆算したときに京都が一番と思った」とJ1で首位争いをする京都サンガへの入団を決断。「攻撃的なサイドバックを目指している」と話す山本が選択の決め手としたのは、両サイドバックが積極的に攻撃参加する京都のプレースタイルに拠るところも大きい。京都には福田心之助や須貝英大といった強力なライバルが在籍するが、「そういう選手を超えていかないと、海外へ行って日本代表になるという目標には届かない」と強い気持ちで進路を選んだ。「クロスの質や、キックの精度を高めて、味方をもっと賢く動かせる選手になってほしい」と早崎監督もさらなる成長に期待する。

中学年代では日本クラブユースサッカー選手権で優勝、高校では高円宮杯プレミアリーグ2022ファイナルで日本一になっているだけに、大学でも日本一のタイトルを獲ってJへと進みたいというのが山本の目標のひとつでもある。この夏の総理大臣杯ではあと一歩が届かなかったが、チームのために闘い、大学でさらにスケールの大きな選手となって多くのサポーターの前で活躍を見せてくれるはずだ。

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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