《ポストユースマッチ》
▽2025/05/13 17:00 Kick off – J-GREEN堺(メインフィールド)
U-22 Jリーグ選抜 2-2(1-0/1-2/PK4-5) 関西学生選抜
得点:’42 Jリーグ選抜/平賀大空、’48 関西選抜/中田有祐、’65 関西選抜/中田有祐、’82 Jリーグ選抜/松本遥翔
ポストユース世代の育成・強化を目的にJFAとJリーグの共同で実施されたU-22 Jリーグ選抜と関西学生選抜の試合が5月13日にJ-GREEN堺で行われた。4月22日の関東大学選抜との対戦に続いて2回目のポストユースマッチとなった。


立ち上がりから連携不足によるパスミスが目立つ展開が続いた関西選抜は、なかなかボールを前に進めることができない。最初のチャンスが生まれたのは13分。右サイドでボールを奪い、DF桑原航太(関西大3年/帝京長岡高)から中盤を走るFW金本毅騎(阪南大3年/セレッソ大阪U-18/C大阪内定)にボールを繋ぐと、左サイドのMF松井匠(阪南大4年/高知高)にロングパスを供給。一人を抜いて放ったクロスは相手に防がれるが、セカンドボールを拾ったMF真田蓮司(関西大3年/東山高)のパスを右サイドにいたDF桑原がミドルでゴールを狙った。この攻撃から関西選抜はロングボールを多用して、アタッキングサードエリアまでボールを運ぶ展開が続いた。 39分に獲得したCKではDF古田東也(関西学院大3年/V・ファーレン長崎U-18)が頭で合わせるが枠を捉えられない。
42分にJリーグ選抜がCKを獲得すると、MF平賀大空(京都)が頭で直接押し込み先制。前半終了間際に均衡を破られ、1点ビハインドで関西選抜は試合を折り返した。


GK宮本流維(関西学院大4年/名古屋グランパスU-18)、DF赤熊大和(甲南大3年/就実高)、DF有吉勇人(甲南大4年/広島県瀬戸内高)が後半から投入。攻撃陣は、右MFを山本青英(大阪経済大3年/東海大学付属大阪仰星高)が務め、FW水永直太朗(大阪経済大2年/東海大学付属大阪仰星高)とFW中田が2トップ気味となる布陣が敷かれた。
後半開始早々、関西選抜が試合を動かした。48分に右サイドでFKを獲得すると、MF鹿取勇斗(同志社大4年/桐光学園高)のキックにFW中田が長身を活かして頭で合わせ、同点ゴールを押し込んだ。さらに66分、中盤でボールを受けたFW中田は、相手のプレスを受けながらも右サイドのMF山本(青)にスルーパスを供給しチャンスを作ると、FW水永が相手のバックパスの乱れを見逃さずにボールを奪い、ゴール前のFW中田に供給。中田が冷静にシュートを流し込み、逆転ゴールを決めた。試合後、FW中田は「全員で強度を出して、前からボールを奪って最後に自分が仕上げただけ。ちょっとミスキックぽくなったけど、自分は仕上げただけなので。そういった意味では、チームで意識していた部分をしっかり出しながら繋げれたので良いゴールだったと思う」と逆転弾を振り返った。
このまま試合を終えたかった関西選抜だが、Jリーグ選抜もタダでは終わらない。82分に中央からの縦パスをきっかけにパスを繋がれると、ペナルティエリア前で反応したDF松本遥翔(鹿島)にミドルシュートを決められ再び同点に。関西選抜も猛攻を仕掛けて84分にCKを獲得。MF鹿取のキックにDF岡田佳己(大阪学院大4年/京都橘高)が合わせるが相手GKのファインセーブで勝ち越しとはならなかった。
PK戦は、MF真田、FW水永、FW中田、DF岡田と連続して関西選抜が決めると、Jリーグ選抜の5人目のキックでGK宮本がビッグセーブをみせた。最後はMF山本未来翔(大阪学院大4年/大阪学院大学高)が冷静に決めてJリーグ選抜に勝利した。


見事勝利を収めた関西選抜だが、選手各々で手応えには違いが現れた。2ゴールを挙げ、仙台に内定が決まっているFW中田は「Jリーガーと言っても全員が年下の選手。彼らと同じ舞台で生きていくという意味では負けちゃいけないし、何か違いを出さないといけないっていう気持ちだったので、数字で結果を残せたのはよかった」と手応えに自信を表した。しかし前半に出場したFW藤枝康佑(桃山学院大4年/東山高)は、「チームとしてはPKで勝ち切ってすごいよかったと思うんですが、個人の部分ではシュートも入っていないですし、自分の持ち味を出せなかった」と悔しさを見せた。


この試合だけで技術が大きく成長するわけではない。しかし、この試合を何か成長のきっかけとするのは可能だ。翌週から前期リーグが再開し、6月からは関西選手権が始まる。今日の課題をバネに、それぞれが関西の舞台で大きな成長を遂げていくことを願う。

