’25 関西学生リーグ第3節/阪南大、関西大が初勝利。3戦目にして全勝チームが消え、実力拮抗のリーグ戦。

序盤の連戦も最終日。土曜に試合を行った4チームは、中2日で3連戦を戦うハードスケジュール。4月にして飲水タイムが設けられるタフな戦いとなった。

2連勝と好調の桃山学院大は、関西学院大と対戦。コンディションを考慮して前節からメンバー9人を入れ替えた関学大は、速い出足でボールを奪うとサイドから積極的にクロスを供給して相手ゴールへと迫るが、桃山大もGK森脇勇人(3年/ジュビロ磐田U-18)を中心とした集中した守備で得点を許さない。すると23分、MF石橋聖也(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が右へ出したパスにMF田村遊吏(2年/履正社高)がスプリントして追いつくと、深い位置からゴール前に上げたクロスにFW藤枝康佑(4年/東山高)がドンピシャのヘディングで合わせ、耐える時間帯が続いた桃山大が隙を逃さずに先制点を上げる。試合を優勢に進めながらもビハインドを負った関学大は、42分にMF篠原駿太(4年/神村学園高等部)がゴール前に入れたボールをMF澤田佳憲(3年/広島県瀬戸内高)がシュートに行くが、桃山大に跳ね返される。
関学大は後半からMF村井清大(3年/ヴィッセル神戸U-18)とFW古田和之介(3年/履正社高)を投入し、攻撃の圧力を強めていく。そのパワーが結果となったのは52分、CKのクリアボールを拾ったDF西谷京祐(4年/関西学院高等部)が放ったシュートを、MF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)がゴール前で巧みにコースを変えて同点とする。勢いに乗った関学大は57分に再びCKから今度は古田(和)がヘッドで決めて逆転に成功。79分にはDF古田東也(3年/V・ファーレン長崎U-18)が頭で合わせたが、ここは桃山大GK森脇がビッグセーブを見せる。ピンチを凌いだ桃山大は、82分にこぼれ球を奪取したMF田中裕翔(3年/大阪桐蔭高)がゴールエリア外からミドルシュートを決めて同点に追いつき、勝ち点1を得る結果となった。

先制点を決めて、ポーズを取る桃山大・藤枝康佑

大阪経済大vs甲南大も互いに譲らぬ一戦に。持ち味のパワーとスピードを生かして、優位に試合を進めたい大経大だが、相手陣内へボールを運びセットプレーのチャンスを作るものの、なかなか決定機に繋げられずシュートを打ちきれない。甲南大もボールを奪うと早い展開からリズムを作ろうとし、30分にはCKから波状攻撃を仕掛けるが実らず、スコアレスでハーフタイムを迎える。後半は甲南大が中盤で先手を取れる時間帯を増やしていくが、大経大GK吉野顕二(1年/宮崎日本大学高)の判断の良いプレーの前に得点とはならない。激しく競り合いゴール前まで行くシーンも多く見せた両チームだが、後半はどちらもシュートがわずかに「1」と打ち切るシーンを作れないまま、無得点で勝ち点1を分け合うに終わった。

互いにチャンスは作りながらも、決定力を欠いた大経大と甲南大

雨の三木防災での2試合はいずれもドロー。京都産業大vs関西福祉大はどちらもパスを繋いで攻撃のリズムを作ろうとする。京産大は両サイドからクロスを入れてFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)に合わせていくが、枠を捉えきれない。関福大もボールを奪うとスピーディに仕掛けて積極的にシュートを放つが、京産大が集中力を保ってこれを跳ね返していく。雨脚が激しくなる中、後半は京産大が攻撃のギアを上げて内容でも関福大を圧倒。MF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)の正確な直接FKからアグレッシブに得点を狙っていくが、相手ゴールを割ることはできず、互いに悔しさの残るドローとなった。

ここまで勝ちがない大阪学院大は、立ち上がりからエネルギッシュに攻撃を仕掛ける。11分に大体大DFが裏に出されたボールを処理しようとしたところをMF志賀小政(2年/静岡学園高)がプレスをかけて奪い取り、GKの頭上を狙ったロングループで先制点を奪う。大体大は迫力ある攻撃で得点を狙うが、大院大の身体を張った守備を打ち崩せないまま前半は終了。後半も先手を取ったのは大院大。63分には右サイドからMF後藤雅人(1年/大分トリニータU-18)が入れたクロスにMF庄大空(2年/静岡学園高)が走り込んで追加点とする。2点を追う展開となった大体大は、交代選手の活躍で流れを引き寄せる。まずは76分、相手のクリアボールを拾ったMF佐藤陽成(4年/北海道コンサドーレ札幌U-18/札幌内定)が絶妙のコントロールで決めて点差を詰める。そして90+3分には右サイドからFW中津悠哉(4年/福井商業高)が入れたボールをMF高萩優太(2年/帝京長岡高)が落とし、最後はMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)が仕留めて、大体大がギリギリのところで勝ち点1をもぎ取る結果となった。

前節、よもやの大敗を喫した昨季の王者・阪南大。対する京都橘大もここまで2敗。どちらもチームを上昇気流に乗せるためにもここで白星を勝ち取りたいところだ。京都橘大は右サイドのMF上甲海琴(4年/近江高)とDF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)の縦ラインの好連携を生かしてチャンスを作るが、阪南大は集中した守備で跳ね返していく。試合が動いたのは35分。京都橘大が右CKから攻撃を畳みかけるが、阪南大はGK須田遥斗(3年/大阪桐蔭高)を中心に身体を張って守り切ると、ボールを奪い取り一気に速攻をかける。MF山崎遥人(2年/筑陽学園高)が冷静にパスを通すと、FW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)がGKとの1対1を制して先制ゴールを挙げる。
阪南大はMF松本楓悟(4年/阪南大学高)らを後半から次々と投入し、攻撃に変化をつけてくる。48分にはその松本が起点となって波状攻撃を仕掛け、MF松井空音(1年/帝京大学可児高)がシュートを放つが、京都橘大GK岡田修樹(4年/京都サンガF.C.U-18)も鋭い反応でセーブする。55分にはMF田中晃誠(3年/東福岡高)の直接FKをMF松本がヘディングで合わせるが、京都橘大も身体を張ったブロックで得点を許さない。だが、72分FW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18)がゴールラインぎりぎりからマイナスのパスを入れると、MF松本がしっかりと仕留めて追加点とする。
京都橘大もMF鵜戸瑛士(2年/近江高)やMF江藤呂生(1年/国見高)らの速さを生かしたプレーでチャンスを作る場面を増やしていく。90分に、CK時のゴール前での混戦から相手のファウルを誘い、PKを獲得。FW松村尚樹(4年/加島学園高)がきっちりと決めて追い上げるが、これ以上の失点を許さなかった阪南大が今季初勝利を飾った。

阪南大・松本楓悟がゴールを決めて笑顔を見せる

雨が激しくなる中で行われた関西大vs同志社大は開始早々にスコアが動く。5分、関西大はFW兎澤玲大(2年/京都サンガF.C.U-18)が左足で入れたCKを、MF村井天(3年/飯塚高)がニアに入りうまく合わせて先制点を決める。直後の8分に同志社大もCKから波状攻撃を仕掛けるが、関西大も粘り強く守り得点を阻止。追加点を狙う関西大は31分、同志社大GK波多野崇史(4年/サンフレッチェ広島F.Cユース)のキックがFW大矢瑞樹(4年/アルビレックス新潟U-18)に当たりこぼれたところをが拾い、FW兎澤がシュートに行くがGK波多野の好セーブに追加点を奪えない。
後半の立ち上がりは、同志社大がペースを握って試合を進める。しかし、関西大を押し込む場面を作りながらもシュートまでもっていくことができない。関西大も両サイドをうまく使った展開から決定機を量産し、積極的に得点を狙うが、ネットを揺らせず。それでもしっかりと1点を守り切り、待望の勝ち点3を獲得した。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第3節》
▽2025/04/12 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
関西学院大 2-2(0-1) 桃山学院大
得点:’23 桃山大/藤枝康佑(田村遊吏、石橋聖也)、’52 関学大/先田颯成(西谷京祐)、’57 関学大/古田和之介(古田東也、三宅凌太郎)、’83 桃山大/田中裕翔

▽2025/04/12 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
大阪経済大 0-0(0-0) 甲南大

▽2025/04/13 14:00 Kick off – 万博記念競技場
関西大 1-0(1-0) 同志社大
得点:’5 関西大/村井天(兎澤玲大)

▽2025/04/13 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
京都産業大 0-0(0-0) 関西福祉大

▽2025/04/13 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
大阪学院大 2-2(0-1) 大阪体育大
得点:’11 大院大/志賀小政(遠藤楓仁)、’63 大院大/庄大空(後藤雅人)、’76 大体大/佐藤陽成、’90+3 大体大/佐野竜眞(高萩優太、中津悠哉)

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

蟹江 恭代をフォローする
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました