《2025年度 第103回 関西学生サッカーリーグ 第3節》
2025/04/12 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
関西学院大 2-2(0-1) 桃山学院大
得点:’23 桃山大/藤枝康佑(田村遊吏、石橋聖也)、’52 関学大/先田颯成(西谷京祐)、’57 関学大/古田和之介(古田東也、三宅凌太郎)、’83 桃山大/田中裕翔

3試合を終わって、2勝1分でリーグ首位に立つ桃山学院大。その中でも際立った結果を残しているのがMF田村遊吏(2年/履正社高)だ。ここまで1得点6アシストとチームの全14得点のうち、実に半分の得点に関与している。この日も関西学院大に押し込まれながらも、一瞬の隙を逃さず絶妙のクロスで先制点をアシスト。MF石橋聖也(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)からのパスを受けた動き出しは、「石橋とは小中と一緒で、練習でもあいつが持ったら裏を取るっていうのはずっとやってて、それを活かせたかなと思います」と、互いの信頼関係から生まれた好プレーだった。
昨シーズンは4バックの右SBとして、ルーキーながら開幕戦から出場機会を得て、チームの1部復帰にも貢献。今年の桃山大は3バックのシステムを採用しているため、田村は右のウィングバックを担う。「逆サイドが持ったら、こっちも上がるってのを意識していて、うまくハマって結果になってるのはうれしいです」と本人も結果が数字となって表れていることに手応えを感じている。
今季より桃山大を指揮する田村直弘監督が田村の父。田村監督も桃山大のOBで、ガンバ大阪に加入後、サガン鳥栖などで活躍したストライカーだ。だが、大学に入学するまで父にサッカーを教わったことはあまりなかったと田村は言う。田村監督も「この仕事してると息子のサッカーを見る機会はあまりなかった。高3のときに(履正社高が)プレミアにいたんで、そこでスカウトの一環として見るようになってまさか自分のところに来ることになるとは」と笑う。

点取り屋だった父とは違い、子供の頃からサイドバックに取り組んできた田村にとって、毎熊晟矢(AZアルクマール)が目標のプレイヤー。その毎熊の存在が進路選択の大きな決め手となった。「毎熊選手はサイドバックですけど、点に絡むプレーが多くてスピードもあって、自分に似てる部分もあるかなと思う」と憧れに近づくために努力を惜しまない。「縦に行けるっていうところは彼の強み。推進力を存分に出してほしい。去年は2部やったんで、どこまでやれるかってのはあるけど十分できる身体能力はある」と田村監督も期待を口にする。
「父から言われてるのは守備の部分もですけど、最後のゴール前のクオリティ。結果で示さないといけないと思うんで、もっと点に絡めたらいいかなって思います」と現状に満足せず、さらに努力を続けていく覚悟だ。「チームとしては1部優勝が目標ですけど、個人としてはアシスト王を狙えたら」と話すように、ここ数年は昇格しても1部に定着できずに苦しんできた桃山大を躍進させる大きな力となれるよう、まずは関西で力を示していく。


