今年度より大会方式が大きく変更された全日本大学サッカー選手権(インカレ)。シードチーム以外は、まずは予選ラウンドで勝利しなくては、決勝ラウンドへ進出することはできない。AGFフィールドで行われた東西対決・東京国際大(関東5位)vs関西学院大(関西6位)は、互いに譲らぬ一戦となった。
立ち上がりは東国大がハイプレスでボールを奪い、FW高橋剣士朗(4年/日本航空高)、FW尾崎岳人(4年/堀越高)を中心にゴールを狙うが、仕留めきれない。対する関学大は攻める東国大にできたスペースを右サイドのMF篠原駿太(3年/神村学園高)がスピードを生かしたドリブルで攻め上がりチャンスを作るも、こちらも得点は奪えないまま前半を終える。
後半に入ると、東国大が前に来てできたスペースを関学大がうまく使い、試合の主導権を握る。FW古田和之介(2年/履正社高)がロングボールを持ち込み決定機を創出したり、セットプレーでチャンスを作るがゴールはならず。スコアレスのまま延長に突入する。
延長戦で試合は大きく動く。94分、東国大FW高橋のシュートをブロックした関学大DF西谷のプレーがファウルとなり、PKがジャッジされる。さらに西谷はこのプレーで2枚目の警告となり退場。関学大はこの絶体絶命の場面でGK宮本流維(3年/名古屋グランパスU-18)がキッカー高橋のシュートをセーブして得点を許さないが、延長前半ATのCKをDF橋辺海智(4年/ヴィッセル神戸U-18)が高い打点のヘディングで合わせて、ついに東国大が均衡を破る。
数的不利もあり、関学大は延長後半も押し込まれる時間帯が続くが、しっかりと耐えると118分、東国大DFのパスミスをFW小西春輝(3年/サガン鳥栖U-18)がチェイスして拾い、そのままGKをよく見て落ち着いてゴールを決めて、同点に追いつき、決勝ラウンドへの挑戦権はPK戦へと持ち越された。
先攻の関学大は小西が冷静に左に決める。続く東国大はMF竹間永和(4年/鹿島アントラーズユース)のキックは、わずかに枠の右へとそれてしまう。関学大、東国大ともに2人目は成功させると、3人目がPK戦の明暗を分ける。関学大MF徳弘匠(4年/神戸弘陵学園高)はコースを読まれながらもしっかりと決めるが、東国大MF吉田桂介(4年/大宮アルディージャU18/長野内定)のキックは宮本がしっかりとキャッチ。関学大は4人目も落ち着いて成功させ、苦しみながらも決勝ラウンドへと歩みを進めた。