《第102回関西学生サッカーリーグ 後期第2節》
2024/09/25 @万博記念競技場
関西大 1-0(0-0) びわこ成蹊スポーツ大
2ヶ月ぶりの公式戦勝利。関西大がようやく長いトンネルを抜けた。
7月7日の前期リーグ第9節・同志社戦に勝利したあと、大阪体育大、甲南大に連敗し、首位陥落。チーム力向上を図って臨んだ総理大臣杯も東京国際大に敗れて初戦敗退となり、後期リーグ初戦の同志社戦では先行しながらも追いつかれ、数的優位を活かせずにドローと、勝利には届かなかった。
関西大はリーグの上位4チームの中で、最小の総失点数だが、総得点ももっとも少ない。主将のDF木邨優人(4年/京都サンガF.C.U-18/栃木内定)は、最終ラインで守備を安定させて分厚い攻撃につなげることを意識してきた。得点が取れない状況の中にあっても「4月に始動した時からもうずっと変わらず続けてることは変えずにやり続けてきた」と言うように、この日もびわこ成蹊スポーツ大の勢いある攻撃と粘り強い守りに対して関大のサッカーを貫き通し、ウノゼロでの勝利につなげた。「ゴール前まで迫られたりしたんですけど、個人個人じゃなくて、チームで身体を張って守るっていうところをこの1試合通してできた」と”全員サッカー”で掴んだ勝ち点3に、木邨は胸を張る。
9月20日には、栃木SCへの来季加入内定も発表された。現在、J2残留のために厳しい戦いを強いられている栃木だが、「その状況でもピッチで頑張ってる選手と、スタンドで応援してるサポーターが一体となって、すごいなんか熱いサッカーをしてたんで、そういうところに惹かれて、自分は栃木で頑張りたいなと思いました」と木邨は決断の理由を話す。
栃木は人間性の部分についても重きをおいており、主将として大所帯を束ね、試合の中で周りに影響力を伝えられる木邨の長所が評価された形だ。
今年の関西大は、スターティングメンバーに下級生が多く、コンスタントに出場しているのは木邨とDF川島功奨(4年/京都サンガF.C.U-18/鹿児島内定)のみ。だが、日々の練習や、サッカースクール活動、地域清掃などに取り組む4回生の姿から下級生もよい刺激を受けて成長し、頼もしさを身に着けつつある。混戦の関西学生リーグにあって若く伸びしろのあるチームをどう引っ張っていくか、木邨も自らの未熟な部分も自覚しつつも、さらなる進化へ目線をぶらすことはない。「去年とは違って、今年の関大は余裕のあるゲームはなく、厳しい試合を制して今の順位にいる。この後の試合でもそういう状況は続くと思いますし、接戦の試合をものにできる力をもっとつけていって、勝てるチームになっていかないといけない」と2006年以来のリーグ優勝へチームを導く力を緩めることはない。