タイトなスケジュールであるため、各チームが総力戦で挑む第2節。早くも連勝チームは関西学院大と甲南大の2チームのみとなった。ひとつの勝利、勝ち点1で順位が大きく変わるリーグ戦は、今後も目が離せない展開となりそうだ。
前期開幕戦では大阪経済大のパワフルな攻撃の前に持ち味を出せずに敗れている同志社大。この日はスピーディなパス回しでリズムを作ると、5分にMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)の突破からFW野頼駿介(3年/桐光学園高)がGKと一対一のチャンスを作るが、枠を捉えることはできず。12分にもMF馬場がMF鹿取勇斗(4年/桐光学園高/熊本内定)とのワンツーで抜け出した決定機も、大経大GK吉野顕二(1年/宮崎日本大学高)のブロックに阻まれる。大経大もロングスローとセットプレーで同志社大ゴールを脅かすが、得点には繋げられない。試合が動いたのは40分、MF片山颯真(3年/ヴィッセル神戸U-18)のフィードを受けたFW下崎琉宝(3年/興國高)がゴール前にクロスを入れると、FW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)がヘッドで叩き込み、大経大が先制して前半を終える。
追う同志社大はセットプレーを立て続けに獲得して波状攻撃を仕掛けていくが、大経大も集中して守り、得点を許さない。すると73分、FW山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)が同志社大DFからボールを奪うと、FW下崎琉宝とワンツーで前進して、ニアを打ち抜き追加点を上げる。90+1分にはMF中山蓮(2年/東海大学付属大阪仰星高)が左足で直接FKでゴールネットを揺らし、勝負を決定づけた。
好スタートを切った関西大だが、今節は苦戦を強いられた。立ち上がりから京都橘大に主導権を握られ、12分DF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)のクロスに、FW伊原快(2年/玉野光南高)がヘッドで合わせて京都橘大に先取を許す。京都橘大は19分にもプレスを掛けてボールを奪ったMF住芳樹(2年/京都サンガF.C.U-18)が冷静にゴールへ流し込みリードを広げる。なかなか攻撃のギアを上げることができない関西大は、シュートを打つ場面に持ち込めないまま前半を終える。
関西大は後半頭からDF藤谷温大(1年/柏レイソルU-18)とMF宮川大輝(2年/ガンバ大阪ユース)を投入し、巻き返しを図る。60分にはFW堀颯汰(2年/帝京長岡高)が決定機を迎えるが、京都橘大GK岡田修樹(4年/京都サンガF.C.U-18)が鋭いセーブで失点を許さない。京都橘大は80分にFW小橋川海斗(3年/米子北高)が見事なロングシュートで得点を加え、後期初勝利を決めた。持ち味を出せなかった関西大は敗れて3位へ後退となった。
甲南大vs大阪学院大は思いもよらぬ展開となった。互いに一進一退の攻防を繰り広げていた30分、大院大のクリアボールのこぼれを追った甲南大FW大西悠斗(4年/兵庫県立有馬高)が抜け出そうとしたところを倒したとしてDF岡田佳己(4年/京都橘高)がレッドカードで退場に。押し込みながらもなかなかシュートを打つ場面を作れていなかった甲南大は、数的優位を活かして決定機を増やしていくと、38分、MF諏訪晃大(3年/桐生第一高)がゴール前に入れたボールをFW大西が態勢を崩しながらも合わせて先取点をマークする。
数的不利の中でも、スピーディにボールを運びチャンスを作る大院大だったが、55分、ロングボールを手で処理したGK加藤里玖都(2年/香里ヌヴェール学院高)がラインを超えていたとジャッジされて退場処分を受けてしまう。9人で戦うことになった大院大は、交代出場のGK上久保琉(4年/創志学園高)を中心に跳ね返すが、68分にMF伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)が左サイドをドリブルで駆け上がって入れたクロスに、MF初田然(4年/清風高)が合わせて追加点。大院大もMF庄大空(2年/静岡学園高)やFW大石翔真(2年/城陽高)がボールを運びチャンスを作るが、得点ならず。甲南大が勝利し、ひとつ上げて2位へ浮上した。

1点を争う緊迫したゲームとなったのは阪南大と大阪体育大の試合だ。阪南大は巧みなパスワークからMF松井匠(4年/高知高/大宮内定)が好クロスを配給するが、なかなかゴールを割ることができない。大体大もカウンターからチャンスを作ってシュートチャンスに持ち込むが、こちらも得点はならず、前半はスコアレスで終了する。均衡が破れたのは72分、中盤からMF松井空音(1年/帝京大学可児高)が相手DFの裏を狙うパス。MF松井匠が抜け出すと、GKとの一対一を制して得点を決める。大体大も終盤、連続してセットプレーを獲得し、阪南大ゴールを脅かすも得点には至らず、阪南大がウノゼロで勝利をつかみとった。
第1試合とは逆に、激しい打ち合いとなった三木防災の第2試合・桃山学院大vs京都産業大。前にでていた桃山大GK森脇勇人(3年/ジュビロ磐田U-18)に対し、京産大FW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)が猛然とプレスを掛けてボールを奪うと、無人のゴールに冷静に決めて先手を取る。35分にもDFラインからのロングボールを、GK森脇がクリアしたこぼれを拾ったFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が狙いすまして決めて、京産大が追加点。だが、桃山大も即座に反撃に出る。37分、大ケガから戻ってきた主将FW辻颯人(4年/ジュビロ磐田U-18)が粘って戻したボールをMF厚地陽賢(3年/ルーテル学院高)がファーに送ると、MF原田幹太(3年/レノファ山口U-18)がヘッドで突き刺すと、45+2分にはFW辻の左CKをエースFW藤枝康佑(4年/東山高/松本内定)が頭でニアに決めて試合をふりだしに戻す。
76分、相手のキックミスを拾ったFW李隆志(4年/東山高)が冷静にゴールへ沈めて桃山大が逆転すると、87分には右クロスをGKが弾いたところをFW李が詰めてリードを広げる。直後の88分にMF福永裕也(2年/京都橘高)のロングスローをMF長谷川裟恭(4年/京都橘高)が頭で決めて追い上げるが、反撃もここまで。桃山大が乱打戦を制した。
前節、大量得点で勝利した関西学院大は、連戦を考慮して大きく選手を入れ替えて関西福祉大戦に臨んだ。スピーディでタフな攻撃で主導権を握るが、関福大も粘り強く対応して速攻を仕掛けていく。しかし、39分、DF村井清大(3年/ヴィッセル神戸U-18)が左サイドから入れたボールをMF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)が頭で合わせると、GKの伸ばした手の先を超えてゴールへと吸い込まれ、関学大がリードして前半を終了する。
関福大も後半早々にCKからチャンスを作るが、枠を捉えることはできない。すると53分、DFラインからのロングボールを受けたFW小西春輝(4年/サガン鳥栖U-18)が巧みにマークをかわしてミドルシュートを叩き込み、リードを広げる。関福大が終盤ロングスローから得点を狙うものの、届かず。関学大はクリーンシートで勝利し、首位に返り咲いた。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ後期第2節》
▽2025/09/23 15:00 Kick off – 甲南大学ラグビー場兼サッカー場
甲南大 2-0(1-0) 大阪学院大
得点:’38 甲南大/大西悠斗(諏訪晃大、西村日陽)、’68 甲南大/初田然(伊藤小次郎)
▽2025/09/23 17:30 Kick off – 甲南大学ラグビー場兼サッカー場
関西学院大 2-0(1-0) 関西福祉大
得点:’39 関学大/先田颯成(村井清大)、’53 関学大/小西春輝
▽2025/09/23 11:30 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
同志社大 0-3(0-1) 大阪経済大
得点:’40 大経大/水永直太朗(下崎琉宝)、’73 大経大/山本青英(下崎琉宝)、’90+1 大経大/中山蓮(FKを直接)
▽2025/09/23 14:00 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
関西大 0-3(0-2) 京都橘大
得点:’12 京都橘/伊原快(沖秀大)、’19 京都橘/住芳樹、’80 京都橘大/小橋川海斗(池久保絢斗、鎌田翔大)
▽2025/09/23 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
阪南大 1-0(0-0) 大阪体育大
得点:’72 阪南大/松井匠(松井空音)
▽2025/09/23 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
桃山学院大 4-3(2-2) 京都産業大
得点:’24 京産大/高川諒希、’35 京産大/妹尾颯斗、’37 桃山大/原田幹太(厚地陽賢、辻颯人)、’45+2 桃山大/藤枝康佑(辻颯人)、’76 桃山大/李隆志、’87 桃山大/李隆志、’88 京産大/長谷川裟恭(福永裕也)

