’25 関西学生リーグ第8節/盤石の勝利で関西大が混戦から抜け出す。桃山大は連敗で一歩後退。2位以下は大混戦に。

関西学生リーグ第8節は、天皇杯各府県予選のために一週空いての開催となった。

阪南大は5月8日に来季の古巣セレッソ大阪への帰還が発表されたFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18)がまず魅せた。大阪学院大のCKからの波状攻撃をしのいだ9分、MF松井匠(4年/高知高)がドリブルで左サイドを駆け上がり、ゴール前に入れたボールを、DFに競り勝って金本がゴールへ流し込み先制。昨年の得点王がようやくの今季初得点で、チームに勢いをもたらす。前半は押し込みながらも追加点を奪えなかった阪南大だが、47分、GKのクリアを奪ったFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)がダイレクトで右へ出したパスを、MF松本楓悟(4年/阪南大学高)が左足でゴールへと叩き込む。67分には阪南大の波状攻撃からクリアボールをMF松井が獲得すると、冷静に流し込んでリードを広げる。大院大も73分、阪南大のDFからの縦パスを奪うと、スピーディなパスからFW青木玲(4年/大阪学院大学高)がGKとの1対1を制して1点を返すが、追撃は届かず。阪南大が勝ち点3を獲得する結果となった。

阪南大・金本が今季初ゴールで攻撃の口火を切った

首位の関西大は、ここまでリーグ戦負けなしの大阪体育大と対戦。試合は互いに一進一退で、攻守が目まぐるしく入れ替わる展開となった中、24分に大体大がDFラインでつなごうとしたボールをFW大矢瑞樹(4年/アルビレックス新潟U-18)がカットすると、そのまま持ち込み先制点とする。その後は関西大が得点の勢いのまま、大体大陣内へと押し込む場面を多く作ることとなる。だが、後半になると大体大が主導権を握る。53分には直接FK、CKと連続してチャンスを作るがシュートは枠を捉えられない。73分には速いパス回しからMF高萩優太(2年/帝京長岡高)がゴールを狙うが、ここは関西大GK生嶋健太郎(4年/静岡学園高)が鋭い反応で防ぐ。ピンチを凌いだ関西大は89分、中盤でFW堀颯汰(2年/帝京長岡高)が相手からボールを奪取してドリブルで持ち上がり、右へ送ったパスをFW今西佑(2年/関西大学第一高)がミドルシュートを決めて大きな追加点。クリーンシートで勝ちきった関西大が首位を堅守した。

開幕戦以降、勝利から遠ざかっている大阪経済大。この日は立ち上がりから積極的に関西福祉大のゴールへ向かう動きが実った。24分、FW下崎琉宝(3年/興國高)のシュートを関福大GK杉野伸太朗(4年/大分トリニータU-18)が弾くも、そのこぼれ球を競り合った場面でPKの判定。これをDF大隅颯(4年/近江高)が確実に決めて先制する。関福大もセットプレイでチャンスを作るが、なかなかシュートの形に持ち込めない。すると40分、左サイドからFW下崎琉が絶妙のタイミングで出したボールを受けたMF宮地陸翔(1年/京都橘高)が決め、2点をリードして前半を折り返す。後半も大経大が優位に試合を進め、61分にCKからの連続攻撃で最後はDF藤嶋凌久(4年/東海大学付属大阪仰星高)が決めてリードを広げる。さらに86分にはFW山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)のパスにFW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)が合わせ4点目。クリーンシートでリーグ2勝目を上げた。

甲南大vs桃山学院大は、前節ともに敗戦。上位に食い込んでいくためには、どちらも勝っておきたい一戦となった。序盤は甲南大が押し気味にゲームを進めるが、桃山大もサイドをうまく使い、好機につなげていく。しかし前半は両チームとも得点は奪えず。後半になると試合は動く。51分、FW初田然(4年/清風高)が右からファーサイドへ送ったパスに、FW伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)がスプリントして走り込み、ゴールへ突き刺す。桃山大も75分にMF李隆志(4年/東山高)のパスに抜け出したFW藤枝康佑(4年/東山高)がシュートを放つが、甲南大GK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)が防ぎ、ゴールを許さない。甲南大が連敗を2で止め、3位に順位を上げた。

ホームグラウンドで連勝を狙う関西学院大が前半は試合の主導権を握ってゲームを進めるが、京都橘大もしっかりと対応して得点を防ぐ。だが、37分スローインをFW山本吟侍(2年/高川学園高)が落とすと、MF酒井柊維(4年/藤枝東高)がえぐってゴール前に入れたボールを、MF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)が受けると振り向きざまにシュートを決めて先制点とする。このまま関学大が優位にゲームを進めるかと思われたが、後半は京都橘大が果敢に仕掛けていく。まずは47分、MF天野太陽(1年/静岡学園高)のCKがニアに落ちた混戦からこぼれ球をFW松村尚樹(4年/鹿島学園高)が仕留めて同点にすると、54分にはロングスローをFW伊原快(2年/玉野光南高)がヘッドで落としたところをMF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)が決めて逆転に成功する。関学大もここから反撃を開始。両サイドのスピードを生かして好機につなげると、65分、右サイドをドリブルで駆け上がったMF篠原駿太(4年/神村学園高)のクロスをFW山本吟が頭で合わせて同点に追いつく。その後は互いに決定機を作りながらも、得点には繋がらず、ドロー決着となった。

逆転弾を決め、沖秀大が仲間のもとへ

京都産業大vs同志社大は思わぬ展開となった。開始直後から同志社大が勢いあるプレーで、京産大のゴールを脅かすと、7分にMF小野理竜(3年/青森山田高)が縦に入れたパスを、FW野頼駿介(3年/桐光学園高)が撃ち抜いて先取点をする。その後もMF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)やMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)がテンポよくボールを回して、優位に試合を進めていくが、33分FW野頼が入れたボールにゴール前で反応したMF西川桂太(2年/京都橘高)がこの日2枚目の警告を受けて、退場となってしまう。ここからは数的優位の京産大が一気にリズムを握って攻め込む場面が続くが、同志社大もGK祓川ダニエル(4年/同志社高)のビッグセーブなどで失点を許さない。後半も京産大がボールを保持して得点を狙うが、同志社大の懸命な守りの前になかなか得点を奪うことができない。しかし79分、DF西川宙希(1年/セレッソ大阪U-18)が左から中央へ入れたパスをFW豊嶋蓮央(3年/東山高)が落とし、FW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)が右足一閃でついにゴールを陥れる。京産大は勝ち越しを狙って攻め込むが、同志社大もこれ以上の失点は許さず、京都対決は互いに勝ち点1を分け合うに終わった。

先制ゴールを決めてポーズを取る野頼駿介

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第8節》
▽2025/05/17 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
阪南大 3-1(1-0) 大阪学院大
得点:’9 阪南大/金本毅騎(松井匠)、’47 阪南大/松本楓悟(中田有祐)、’67 阪南大/松井匠、’73 大院大/青木玲(鈴木仁也)

▽2025/05/17 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
関西大 2-0(1-0) 大阪体育大
得点:’24 関西大/大矢瑞樹、’89 関西大/今西佑(堀颯汰)

▽2025/05/18 11:30 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
大阪経済大 4-0(2-0) 関西福祉大
得点:’24 大経大/大隅颯(PK)、’40 大経大/宮地陸翔(下崎琉宝)、’61 大経大/藤嶋凌久、’86 大経大/水永直太朗(山本青英、下崎蘭真)

▽2025/05/18 14:00 Kick off – 三木総合防災公園陸上競技場
甲南大 1-0(0-0) 桃山学院大
得点:’51 甲南大/伊藤小次郎(初田然)

▽2025/05/18 14:00 Kick off – 関西学院大学第4フィールド
関西学院大 2-2(1-0) 京都橘大
得点:’37 関学大/先田颯成(酒井柊維、山本吟侍)、’47 京都橘/松村尚樹、’54 京都橘/沖秀大(伊原快、鎌田翔大)、’65 関学大/山本吟侍(篠原駿太、山本颯大)

▽2025/05/18 16:30 Kick off – 関西学院大学第4フィールド
京都産業大 1-1(0-1) 同志社大
得点:’7 同志社大/野頼駿介(小野理竜)、’79 京産大/高川諒希(豊嶋蓮央、西川宙希)

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

蟹江 恭代をフォローする

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました