京都産業大学は27日、Jクラブ加入内定合同記者会見を行った。今季はDF大串昇平(4年/ガンバ大阪ユース/FC岐阜内定)、DF横窪皇太(4年/金光大阪高/テゲバジャーロ宮崎内定)の2人がJリーグへと進む。
23年の関西学生リーグ優勝やインカレ準優勝、今シーズンのリーグ3位という好成績を収める中で、内定組2人の活躍はチームに大きな影響を与えている。古井裕之総監督も「精神的に成長した2人の活躍は非常に大きな力になっている」と称賛の言葉を送った。
大串は2018年にU-18日本代表に選出され、ガンバ大阪U-23でJ3リーグに12試合出場する実績を積んだ実力派として京産大サッカー部に入部した。入学後は怪我での離脱が多く、思うようにサッカーができない状況が続いていたが、”しんどい時にどう過ごしていくか”を意識することで副将を任されるにまでメンタル面も強さを身につけた。吉川拓也監督も「精神的にタフになった」と大串の成長を評価した。
自身の強みを大串は「右クロス」とする。「クロスは自分の武器として持っている。プロになったとしても負けたくない」と絶対の自信を持っており、FC岐阜強化チームの神田勝男氏(以下、神田氏)も「右クロスの精度は高い。J3で戦う上で必要なパーツになる」と評価している。
神田氏は大串の獲得理由を「”普通に・そつなく・いつものプレー”を繰り返しできており、一見普通のプレーに見えるがクオリティが高いところに目を向けた」と述べた。「自分の中でプロ(という道)が近づいてきたとはあまり感じなかった」と振り返る大串だが、その心境の中でも常に「プロになるためには何が必要なのか」をベースに行動。苦境の中でも常に考えて振舞ってきたことが安定したプレーを生み出し、高クオリティに繋げてプロ内定を掴み取った。
横窪はセレクションではなく、一般入試を経てサッカー部に入部。高校時代に代表などの華々しい実績はなかったが、2年生から主力のCBとしてチームに貢献し、京産大に欠かせない守備の要へと進化。自身の課題と向き合いながら精神面でも進歩を遂げることでJへの内定に繋げた。
「チーム全体の組織として考えることも多くなった」(横窪)と語るとおり、4年生からは大串と共に副将としてチームを牽引。試合を重ねる毎に自身の責任感が増したことでDFリーダーとしても逞しさを身に着けた。目標とする選手に”リーダーシップや統率力”に優れたガンバ大阪の中谷進之介選手を挙げ、「セットプレーの得点の部分でも目標になる選手」と理想を掲げた。
テゲバジャーロ宮崎は今季、セットプレー時にヘディングからの得点が多くないため、”空中戦に強い部分”は大きな獲得理由の一つになっている。横窪も「空中戦の部分はプロになっても負けたくない」と自身の強みとしており、スカウトの小野寺氏達也氏は「ポジション争いの中でも自分の強みを発揮して欲しい」と期待の言葉を送った。
大学4年間で様々な成長を遂げた2人。リーグ戦では守備力の高さが発揮され、失点数が関西大学と並ぶ今季最少失点の26に抑えられた事で3位という結果も残した。残るはインカレのみ。昨年逃したインカレ優勝を勝ち取るためにも、両名のプレーに期待したい。