リーグ中盤の3連戦も最終日。各チーム、このタフな連戦をいい形で締めくくり、リーグ終盤戦へつなげたいところだ。
甲南大はここで勝ち点3を得て、阪南大や関西学院大にプレッシャーを掛けたいところ。対する京都産業大も熾烈なインカレ出場権争いでリードするためにも勝利がマストだ。立ち上がりから両者積極的に相手ゴールへと向かう中、10分、DF有吉勇人(4年/広島県瀬戸内高)が京産大DFの裏を狙うロングボールを送ると、FW伊藤小次郎(2年/V・ファーレン長崎U-18)が俊足を飛ばしてこれに追いつきゴール前へ入れたクロスをMF岡本大生(4年/奈良育英高)が仕留め、甲南大が先制する。京産大も徐々に甲南大陣内へ押し込む時間帯を増やしていくと、43分、ボールをキャッチしたGK徳若碧都(4年/高川学園高)が素速いパントキックで前線へ正確なフィード。ボールを受けたMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)がうまく相手DFの間に抜けたFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)へパスへ送る。FW妹尾はGKの頭上へ浮かせたシュートでネットを揺らし、試合を振り出しに戻す。
京産大は後半、主導権を握り試合を進める。77分には左の大外からMF伊藤翼(3年/セレッソ大阪U-18)がゴール前に入れたボールにMF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が頭で合わせるが、甲南大の身体を張った守備を崩すことができない。最後までどちらも勝ち点3へ執念を見せて激しいプレーで戦い抜いたが、勝ち越し点は奪えず、3連戦をドローで締めくくった。

残留ラインのボーダーに位置する大阪学院大と京都橘大との対戦も譲らぬ内容となった。両チーム、積極的に敵陣に入り込みシュートを狙うが、ゴール前での身体を張った守りを崩すことはできず、スコアレスで前半を終了する。
後半、最初にチャンスをつかんだのは大院大。47分、相手DFからボールを奪いエリア内へ侵入したMF庄大空(2年/静岡学園高)に対して京都橘大GK岡田修樹(4年/京都サンガF.C.U-18)がセービングに行き倒したことで、PKが告げられる。しかし、MF庄のキックをGK岡田がセーブし、先制点とはならず。すると65分、MF松本海音(2年/京都橘高)のパスでDFの裏へと抜け出したDF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)がゴールへ流し込み、京都橘大がリードを奪う。大院大の攻撃をしのいで、このまま京都橘大が勝ち点3をつかみ取るかと思われたアディショナルタイム、FW肥後潤(3年/浜松開誠館高)からのパスをエリア内でキープしようとしていたFW簗詰夕喜(1年/札幌大谷高)が倒されて、再度大院大がPKを獲得する。この重圧がかかる場面で、主将であるMF山本未来翔(4年/大阪学院大学高)がしっかりとゴールを決めて、土壇場で大院大が同点に追いつき、”6ポイントマッチ”はともに勝ち点1を得るにとどまった。
好調・阪南大だが、この日は残留のために気持ちをひとつにチャレンジを続けた大阪経済大に苦しめられる結果となった。前半は流動性あるパスワークとスピーディな組み立てで阪南大が主導権を握ると、19分、直接FKからの波状攻撃で、DF金子光汰(4年/船橋市立船橋高/松本内定)のパスをFW坪井風汰(3年/東邦高)が相手と競り合いながらもゴールにねじ込み先制点を挙げる。22分にはMF工藤紫苑(4年/ベガルタ仙台ユース)が中盤で奪って出したパスを、FWリトビンが思い切りよくロングシュート。GKの頭上を越えてネットに突き刺さり、追加点を決めてリードを広げる。
大経大は後半立ち上がりの阪南大の攻撃をしのぐと、60分、MF道倉悠聖(2年/京都橘高)が逆サイドへ入れたアーリークロスに飛び込んだFW下崎琉宝(3年/興國高)が頭で合わせて1点差に詰め寄る。さらに70分、FW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)のヘディングを阪南大GK高畑優太(4年/アルビレックス新潟U-18)がはじいたこぼれ球を奪いに行ったMF宮地陸翔(1年/京都橘高)が倒されPKのジャッジが下される。キッカー水永が右足でど真ん中に決めて、ついに2点差を追いつく。最後まで高い強度でぶつかり合ったゲームだったが、どちらも勝ち越しゴールは奪えずにそのままタイムアップとなった。

後期まだ勝ち点を得ていない関西福祉大は、まずは何としても先取点を奪いたいところ。だが5分、DF竹川奏(4年/岡山学芸館高)のロングスローからの混戦で、DF山田一景(3年/尚志高)に押し込まれ、早々に大阪体育大に得点を許してしまう。攻撃の圧をかわしながらもパスをつないでリズムの構築を狙う関福大に対し、17分、大体大はDF池戸柊宇(2年/京都橘高)のロングキックをMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)がDFに抑えられながらも強引に足を伸ばして放ったシュートでネットを揺らし、追加点。45+3分にはMF佐野がプレスをかけて奪ったボールを受けたMF三島典征(1年/立正大学淞南高)が持ち上がり、ミドルシュートを決めて3点差をつけて前半を折り返す。
55分には関福大GK杉野伸太朗(4年/大分トリニータU-18)のゴールキックが味方にあたったこぼれ球を、MF佐野が素速く拾ってコントロールショットでゴールを陥れ、大体大がリードを広げる。関福大も67分、MF小幡季生(3年/ガンバ大阪ユース)の絶妙のスルーパスにMF高下仁誓(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が合わせに行くが、届かず。75分にもMF高下のパスをFW岩田凌汰(2年/大社高)がフリーで狙うが、GKに阻まれ特典とはならない。最後まで集中力を切らさず守りきった大体大が、クリーンシートで勝利し、インカレ圏内の6位へと順位を上げた。
前期は同志社大がホームで関西学院大をシャットアウトしたこのカード、この日もたちあがりは同志社大が勢いあるプレーで関学大陣内へと攻め入る。関学大は立ち上がりの相手の圧力を凌ぐと、13分、DF山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18/京都内定)がGKが弾いたボールを拾いゴール前に入れると、MF酒井柊維(4年/藤枝東高)が頭で合わせて先取点。14分にはスピーディな攻撃からMF先田颯成(2年/サガン鳥栖U-18)のパスをDF村井清大(3年/ヴィッセル神戸U-18)が左足を振り抜き、続けざまにゴールを奪う。この連続ゴールで関学大が一気に流れを引き寄せ、主導権を握って前半を終える。
関学大は54分に、FW小西春輝(4年/サガン鳥栖U-18)のシュートのこぼれ球をMF先田が見逃さず決めてリードを広げる。ここ3試合、勝ちがない同志社大はここから猛攻を仕掛けていく。72分にはFW鹿取勇斗(4年/桐光学園高/熊本内定)の横パスを受けたFW野頼駿介(3年/桐光学園高)がミドルシュートを放つが、これはGK正面。MF中山織斗(3年/國學院大學久我山高)のサイド突破から幾度もチャンスを作るが、関学大の守備をこじ開けることはできず。3連戦を3連勝で終えた関学大がクリーンシートで首位の座を守りきった。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ後期第7節》
▽2025/10/18 11:30 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
甲南大 1-1(1-1) 京都産業大
得点:’10 甲南大/岡本大生(伊藤小次郎)、’43 京産大/妹尾颯斗(皿良立輝)
▽2025/10/18 14:00 Kick off – J-GREEN堺メインフィールド
阪南大 2-2(2-0) 大阪経済大
得点:’19 阪南大/坪井風汰(金子光汰)、’22 阪南大/リトビン(工藤紫苑)、’60 大経大/下崎琉宝(道倉悠聖)、’70 大経大/水永直太朗(PK)
▽2025/10/19 11:30 Kick off – 万博記念競技場
関西学院大 3-0(2-0) 同志社大
得点:’13 関学大/酒井柊維(山本楓大)、’14 関学大/村井清大(先田颯成)、’54 関学大/先田颯成
▽2025/10/18 11:30 Kick off – ヤンマーフィールド長居
大阪学院大 1-1(0-0) 京都橘大
得点:’65 京都橘/沖秀大(松本海音)、’90+4 大院大/山本未来翔(PK)
▽2025/10/18 14:00 Kick off – ヤンマーフィールド長居
大阪体育大 4-0(3-0) 関西福祉大
得点:’5 大体大/山田一景、’17 大体大/佐野竜眞(池戸柊宇)、’45+3 大体大/三島典征(佐野竜眞)、’55 大体大/佐野竜眞
*関西大vs桃山学院大は、関西大の感染症による活動制限のため開催中止。試合の取り扱いについては後日決定。
