ひとつの勝利、勝ち点ひとつが大きく順位に影響する大混戦のリーグ戦。インカレ出場権の6位以上を狙うには、得失点差も重要な意味を持ちそうだ。
5位・同志社大と6位の桃山学院大の対戦は、同志社大が主導権を握って試合を進める。MF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)とMF中山織斗(3年/國學院大學久我山高)の両サイドが積極的に仕掛けて、好機を作り出していく。29分にはDF吹田航晟(2年/川崎フロンターレU-18)からのロングボールを受けたMF中山がシュートを放つが、ここは桃山大GK森脇勇人(3年/ジュビロ磐田U-18)のセーブに阻まれる。桃山大も36分から連続してCKを獲得しゴールに迫るが、両チームスコアレスで前半を終える。
同志社大は53分にハイボールのこぼれをMF馬場がゴールへ流し込もうとするが、桃山大MF田村遊吏(2年/履正社高)のクリアに防がれる。対する桃山大も交代出場のMF李隆志(4年/東山高)とFW加藤緒(4年/立正大学淞南高)がリズムを作っていくと、72分、MF田村が右サイドから入れたボールにMF厚地陽賢(3年/ルーテル学院高)が滑り込んでネットを揺らし、桃山大が先手を取る。さらに74分には、FW藤枝康佑(4年/東山高/松本内定)がプレスを掛けて奪うと、ルーズボールを拾ったMF李がドリブルで持ち込みDFをかわしてコースに決めて追加点。同志社大も直後の76分、FW野頼駿介(3年/桐光学園高)のパスを受けたFW松隈弘樹(4年/神戸弘陵学園高)が見事なゴラッソを決め1点差に迫るが、追い上げもここまで。桃山大は3連勝で順位をひとつ上げて5位へと浮上した。

後期ここまで勝点を取れていない関西福祉大は、この日は立ち上がりから積極的なプレーを見せる。MF新屋颯波(1年/熊本国府高)やFW矢野陸(1年/金光大阪高)のスピードあるプレーで相手ゴールへ迫る場面を多く作っていく。甲南大はGK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)を中心にした冷静な守備から徐々にリズムを掴んでいくが、関福大も身体を張って得点を許さず、0-0で前半を折り返す。
50分、甲南大は右CKを得ると、キッカーMF泉彩稀(4/U-18)はMF西村日陽(4年/ジュビロ磐田U-18)にショートパスを出し、ワンツーで受けたボールをゴール前へと蹴り入れると、密集の間をすり抜けるようにゴールイン。主将のゴールで甲南大がリードを奪う。負けられない関福大もアグレッシブに前進してシュートを放つ。80分、MF松下貴要(3年/日章学園高)のパスに抜け出したFW矢野がビッグチャンスを作るも枠を捉えられず。86分にはDF田實優翔(2年/日章学園高)のクロスをFW城洸佑(3年/熊本国府高)がヘッドで狙うがこれも枠外に。最後まで攻めぬいた関福大だが、甲南大の守備をこじ開けることができず、後期初勝利は次節以降へと持ち越されることとなった。

ドラマチックな展開となったのが、大阪体育大と大阪学院大の試合だ。前半は体大が優勢に試合を進めていき、シュートまで持ち込む場面を多く作るが得点はならず。後半になり、両者互角の展開が続く中、74分にDF竹川奏(4年/岡山学芸館高)のロングスローのこぼれを、MF辻耕大(4年/東福岡高)が戻すとこれをDF山田一景(3年/尚志高)が仕留めて大体大が先制に成功する。大院大は押し込む時間帯を作りながらもなかなか決定機を作れずにいたが、90+3分、FW肥後潤(3年/浜松開誠館高)がサイドから粘ってゴール前へと運び、MF山本未来翔(4年/大阪学院大学高)へパス。MF山本のクロスにファーサイドのFW鈴木仁也(4年/鹿島学園高)が走り込んで同点に追いつく。さらに90+6分、MF庄大空(2年/静岡学園高)のパスを受けたFW鈴木がミドルシュートを突き刺し、土壇場で逆転。雨中の試合を勝ちきった大院大が、インカレ出場権争いへ食いつく大きな勝利を掴んだ。
関西学院大vs京都産業大は、関西選手権、総理大臣杯でもぶつかっており、ここまで1勝1敗1分けの五分。後期リーグは実に今季4回目の対戦となる。この日は関西学院大が速い出足でボールを奪い、テンポよく試合を進めていくと、11分MF内田康介(2年/名古屋グランパスU-18)がゴールまで20mほどの距離の位置で得たFKを、美しい軌道で沈め、先制する。京産大も26分、MF伊藤翼(3年/セレッソ大阪U-18)のパスをMF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)が決定機を迎えるが、得点ならず。
状況を打開するため、京産大がまず動く。後半頭からMF長谷川裟恭(4年/京都橘高)とMF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)を投入し、MF田代紘(3年/ヴィッセル神戸U-18)を最終ラインに配置すると、勢いを持って関学大陣内へと攻め込んでいく。56分、MF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)の左からのクロスにFW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)が頭で合わせて同点に追いつく。関学大も再びリズムを取り戻し、京産大ゴールへと迫るが、勝ち越し点を奪うには至らない。87分には右からのクロスをFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が合わせてネットを揺らすが、これはオフサイドの判定に。互いに譲らぬ試合は痛み分けのドローとなった。

関西大は後期好スタートを切ったあと、2連敗。優勝を狙うためにはなんとしても今節は勝利を掴みたいところだ。対する大阪経済大も勝ってプレーオフ圏内から脱出を狙う。前半は大経大がスピーディで迫力ある攻撃で関西大を押し込むと、25分FW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)が中盤で収めて出したスルーパスをFW下崎琉宝(3年/興國高)がゴールし、先取点とする。関西大もMF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース/藤枝内定)が深い位置から組み立てて、リズムを作っていくが大経大がリードを保ったまま、前半は終了する。
後半、立ち上がりから関西大が一気に仕掛けていく。48分、CKから波状攻撃を仕掛けると、クリアボールのこぼれ球を拾ったDF藤谷温大(1年/柏レイソルU-18)が豪快に右足を振り抜き、同点弾を決める。さらに64分、左サイドをドリブルで疾走したDF藤谷がミドルシュート。GK吉田顕二(1年/宮崎日本大学高)が弾いたボールを、MF黒沢偲道(1年/柏レイソルU-18)がパス。最後はMF真田蓮司(3年/東山高)が落ち着いて決め、逆転に成功。80分には交代出場の谷遥翔(3年/関西大学第一高)のミドルシュートで突き放す。大経大もロングスローとセットプレーから関西大の守備をこじ開けようとするが、叶わず。逆転勝利で関西大が北摂ダービーを制した。

連覇を狙う阪南大が後期になってギアを上げてきた。この日は11分にMF松本海音(2年/京都橘高)のパスを受けたFW松村尚樹(4年/鹿島学園高)にミドルシュートを決められ、京都橘大に先行を許すが、35分にCKから最後はDF金子光汰(4年/船橋市立船橋高/松本内定)が押し込み同点に。45分にはFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18/C大阪内定)のパスに走り込んだMF田中晃誠(3年/東福岡高)が決めて、逆転してハーフタイムを迎える。
両チーム、後半は積極的にシュートへ持ち込む場面を作るが、結果につながったのは阪南大。62分に相手バックラインのパスミスを拾ったFW金本が冷静にゴールすると、79分にはMF松本楓悟(4年/阪南大学高)のパスを待ち構えていたFW角田颯磨(3年/高知高)が決めてリードを広げる。京都橘大の反撃を封じた阪南大がトップ3に迫る位置へと浮上してきた。
《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ後期第4節》
▽2025/10/04 11:30 Kick off – 桃山学院大学メイングラウンド
同志社大 1-2(0-0) 桃山学院大
得点:’72 桃山大/厚地陽賢(田村遊吏)、’74 桃山大/李隆志、’76 同志社/松隈弘樹(野頼駿介)
▽2025/10/04 14:00 Kick off – 桃山学院大学メイングラウンド
甲南大 1-0(0-0) 関西福祉大
得点:’50 甲南大/泉彩稀(西村日陽)
▽2025/10/04 11:30 Kick off – J-GREEN堺 S4フィールド
大阪体育大 1-2(0-0) 大阪学院大
得点:’74 大体大/山田一景(辻耕大)、’90+3 大院大/鈴木仁也(山本未来翔、肥後潤)、’90+6 大院大/鈴木仁也(庄大空)
▽2025/10/04 14:00 Kick off – J-GREEN堺 S4フィールド
阪南大 4-1(2-1) 京都橘大
得点:’74 大体大/山田一景(辻耕大)、’90+3 大院大/鈴木仁也(山本未来翔、肥後潤)、’90+6 大院大/鈴木仁也(庄大空)
▽2025/10/05 11:30 Kick off – J-GREEN堺 S4フィールド
関西学院大 1-1(1-0) 京都産業大
得点:’11 関学大/内田康介(FKを直接)、’56 京産大/高川諒希(末谷誓梧)
▽2025/10/05 14:00 Kick off – J-GREEN堺 S4フィールド
関西大 3-1(0-1) 大阪経済大
得点:’25 大経大/下崎琉宝(水永直太朗、大隅颯)、’48 関西大/藤谷温大、’64 関西大/真田蓮司(黒沢偲道)、’80 関西大/谷遥翔(真田蓮司)

