’25 関西学生リーグ第11節/阪南大が勢いを持続して勝利し順位を上げる。関西学院大はリーグ初黒星を喫し、ドローの関西大が首位に立ち、前期終了。

関西選手権による中断から、関西学生リーグが再開。暑さ対策により、各大学グラウンドで前期の残り1試合が夕方からの実施となった。

京都産業大vs京都橘大は、早い時間からスコアが動く。2分、京産大のバックパスを奪った京都橘大FW小橋川海斗(3年/米子北高)のシュートを京産大GK徳若碧都(4年/高川学園高)が一度は防ぐが、そのこぼれ球をMF増井那月(1年/京都橘高)が決めて先制。京産大も7分、速いリスタートからGK徳若が前に入れたボールを、FW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が相手GKに競り勝つヘディングで得点し、すかさず同点に追いつく。京産大は13分にCKからFW妹尾が高い打点のヘディングで合わせて、一気に逆転。44分には左サイドからMF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)が左サイドからミドルを決めて、リードを広げてハーフタイムを迎える。後半立ち上がり、京都橘大はプレッシングからボールを奪うと、MF増井が仕掛けて入れたクロスにFW松村尚樹(4年/鹿島学園高)が合わせて1点差に追い上げる。京都橘大が優勢に試合を進める時間帯が続くが、77分すぎから突然の豪雨が降り注ぐ悪コンディションとなる中、83分にボールを運ぼうとした京産大MF皿良立輝(2年/セレッソ大阪U-18)がエリア内で倒され、PKを獲得。これを皿良が自ら決めてリードを広げ、京産大が前半最終節を白星で飾った。

拮抗した展開となったのは、大阪体育大と甲南大の対戦だ。前線からのプレスでボールを奪いとる甲南大と、ロングボールを効果的に使って攻撃を仕掛ける大体大は、ともにロングスローでチャンスを作るが、両GKの果敢な守備でどちらもなかなかゴールを割ることができない。45+1分、MF森勇聖(3年/興國高)の中盤からのスルーパスに抜け出したFW諏訪晃大(3年/桐生第一高)がGKとの1対1を制して先制点を奪い、甲南大がリードして前半を折り返す。1点を追う大体大は圧を強めて攻め込んでいくが、シュートまでなかなか持っていくことができない。90+3分、甲南大はGK山田克樹(4年/東海大学付属大阪仰星高)のロングキックを処理しようとした相手DFとうまく身体を入れ替えたFW大西悠斗(4年/兵庫県立有馬高)が、GKもかわして大きな追加点を上げて勝負を決めた。

首位奪還を狙う関西大と、上位進出のためには負けられない桃山学院大の対戦は、互いに譲らぬ一戦となった。立ち上がりは桃山大がアグレッシブな攻撃を見せて相手陣内へと攻め込むが、関西大の堅守を崩せない。17分にはMF李隆志(4年/東山高)がドリブルで仕掛けて鋭いシュートを打つが、関西大も必死のブロックで失点を防ぐ。関西大も徐々に試合の主導権を握り、ボールを保持する時間を増やしていくと、40分に相手のビルドアップのパスを奪い、MF堀颯汰(2年/帝京長岡高)、FW今西佑(2年/関西大学第一高)が立て続けにシュートを放つが、枠を捉えられない。後半も一進一退の展開。桃山大は55分、MF田村遊吏(2年/履正社高)のスルーパスからMF蘓鉄航生(3年/ヴィッセル神戸U-18)が抜け出し、ニアを狙うが得点ならず。関西大も64分競り合いのこぼれ球を拾ったDF藤谷温大(1年/柏レイソルU-18)のコントロールショットも枠の外へ。両チーム、最後まで激しい戦いを見せたが、勝ち点1を分け合うにとどまった。

激しいバトルを繰り広げた関西大vs桃山学院大はスコアレスドローに

阪南大は関西選手権の勢いを維持し、関西福祉大にクリーンシートで勝利。6分、阪南大が高い位置からプレスを掛けると、関福大がGKへ戻そうとしたボールがそのままゴールへ吸い込まれ、思わぬ形で先制する。追う関福大は18分、ショートコーナーからFW矢野陸(1年/金光大阪高)がシュートを狙うが、これはバーの上。関福大も両サイドをうまく使って好機を作るようになるが、得点には繋がらない。阪南大もチャンスがありながら追加点は奪えず、前半は1-0で終了する。後半は関福大がMF得居大真(3年/愛媛FCU-18)が幅を取った動きから好機を生み出すが、阪南大も粘り強い守備で対応。79分にはCKからDF金子光汰(4年/船橋市立船橋高)が頭で合わせてリードを広げる。関福大は88分に、FW矢野が逆サイドからのクロスに走り込んでシュートを狙うが得点を奪うことはできず、タイムアップとなった。

前週に関西選手権の5-6位決定戦で対戦した大阪学院大と大阪経済大は、前期最終節で再びの対戦となった。立ち上がりから互いに持ち味を発揮して好機を作るが、先手を取ったのは大院大。23分、FW大石翔真(2年/城陽高)がDFをかわしてドリブルで持ち込んで放ったシュートを、大経大GK吉野顕二(1年/宮崎日本大学高)がブロックしたこぼれ球をFW青木玲(4年/大阪学院大学高)が拾ってパス。MF鳥井禅音(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が巧みなシュートで得点を上げる。大経大は攻める場面を作りながらも前半はシュート0。しかし後半はプレスを強めて、アグレッシブにゴールを奪う姿勢を見せる。すると65分、右サイドからMF下崎蘭真(3年/興國高)がゴール前に入れたクロスに飛び込んだMF久世一慧(4年/立正大学淞南高)がヘッドで決めて同点に追いつく。さらに71分、右サイドでセカンドボールを奪ったMF桑原颯太(2年/横浜F・マリノスユース)が逆サイドへ出した大きな展開のパスをMF久世が上げたボールへFW山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)が頭で合わせて逆転に成功。しかし85分、MF山本未来翔(4年/大阪学院大学高)がゴール前に入れたクロスを、FW鈴木仁也(4年/鹿島学園高)がヘッドで逸らし、最後はFW大石がDFに競り勝って大院大が同点に追いつく。どちらもその後は加点できず、ドロー決着となった。

ホームグラウンドで躍動して、関西学院大に初黒星をつけたのが同志社大だ。立ち上がりから強度の高いプレスで関学大のパスワークを封じると、8分、DF渡邉良(3年/草津東高)が左サイドでMF中山織斗(3年/國學院大學久我山高)とワンツーで深い位置まで侵入してゴール前に入れたボールをFW野頼駿介(3年/桐光学園高)が決めて先取点とする。同志社は30分、FW鹿取勇斗(4年/桐光学園高)のCKからMF馬場啓太朗(4年/大阪桐蔭高)がゴールを脅かすシュートを放つが、ここは関学大GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)が防ぎ切る。前半、効果的な攻撃を構築できなかった関学大は後半頭からMF篠原駿太(4年/神村学園高等部)、DF金山耀太(2年/近江高)を投入し、サイド攻撃で追撃を狙うが、速いプレスと身体を張った守備の前にシュートを打つ展開に持ち込めない。同志社大もセットプレーから好機を作るが、追加点は奪えないまま試合終了。同志社大が上位チームとの差を詰める勝ち点3を獲得した。

ゴールを決めて笑顔を見せる野頼

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第11節》
▽2025/07/05 17:00 Kick off – 京都産業大学神山球技場
京都産業大 4-2(3-1) 京都橘大
得点:’2 京都橘/増田那月、’7 京産大/妹尾颯斗(徳若碧都)、’13 京産大/妹尾颯斗(皿良立輝)、’44 京産大/末谷誓梧(皿良立輝、福永裕也)、’51 京都橘/松村尚樹(増田那月)、’83 京産大/皿良立輝(PK)

▽2025/07/05 17:00 Kick off – 大阪体育大学人工芝サッカー場
大阪体育大 0-2(0-1) 甲南大
得点:’45+1 甲南大/諏訪晃大(森勇聖)、’90+3 甲南大/大西悠斗

▽2025/07/05 17:30 Kick off – 桃山学院大学メイングラウンド
関西大 0-0(0-0) 桃山学院大

▽2025/07/06 17:30 Kick off – 関西福祉大学人工芝グラウンド
阪南大 2-0(1-0) 関西福祉大
得点:’6 阪南大/オウンゴール、’79 阪南大/金子光汰(松本楓悟)

▽2025/07/06 17:30 Kick off – 大阪学院大学第2グラウンド
大阪学院大 2-2(1-0) 大阪経済大
得点:’23 大院大/鳥井禅音(青木玲)、’65 大経大/久世一慧(下崎蘭真)、’71 大経大/山本青英(久世一慧)、’85 大院大/大石翔真(鈴木仁也、山本未来翔)

▽2025/07/06 18:00 Kick off – 同志社大学京田辺グラウンド
関西学院大 0-1(0-1) 同志社大
得点:’8 同志社/野頼駿介(渡邉良、中山織斗)

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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