2025/06/29 「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会決勝 阪南大vs京都産業大 フォトギャラリー/開始直後の末谷ゴールで京産大が先制も、阪南大が逆転勝利で7大会ぶり6回目の優勝!

《「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会決勝》

2025/06/29 17:10 Kick off – 万博記念競技場
阪南大 2-1(1-1) 京都産業大
得点:’4 京産大/末谷誓梧、’45 阪南大/篠田純之助(松井空音)、’56 阪南大/秋末翔也(松本楓悟)

昨年の雪辱を狙う京都産業大と総理大臣杯連覇に向けて弾みをつけたい阪南大がぶつかった「アミノバイタル®︎」カップ2025関西選手権大会決勝。左サイドからの攻撃で京産大が先制するが、阪南大は持ち前の攻撃力を発揮して45分に同点に追いつくと、56分にMF秋末翔也(1年/宮崎日本大学高)が決勝ゴールを決め、7大会ぶり6度目の優勝を果たした。

開始早々に、京産大が試合を動かした。4分、左サイドを駆け上がったMF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)が中に切り込みゴール前にボールを送ると、ディフレクションにより先制ゴールが生まれた。「ゴールを狙った形ではないけど、自分が攻撃を仕掛けることで得点の匂いが生まれると思うので、自分の特徴を出すことを意識しました」と先制の場面を振り返った末谷は、ドリブルを仕掛けてゴールに迫るシーンをその後も創出したが、自身の総シュート数2本という結果に「もっと良い選択肢があったかもしれないですけど、自分が決め切るというところは試合前も強く思っていたので。シュートの質はもう一個上げていかないといけない」とフィニッシュの質を反省点として挙げた。

追加点が欲しい京産大はMF長谷川裟恭(4年/京都橘高)、MF伊藤翼(3年/セレッソ大阪U-18)、FW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)を中心にゴールを狙うが、阪南大GK高畑優太(4年/アルビレックス新潟U-18)に阻まれゴールを奪うことができない。30分を過ぎた辺りから阪南大の球際の強さが目立ち始めると、京産大はラインを下げて対応。しかしMF松井空音(1年/帝京大学可児高)を起点とした攻撃で防戦を強いられる展開になり、45分にMF篠田純之助(4年/東福岡高)に同点ゴールを決められ1-1で試合を折り返した。

末谷は得意のドリブルで再三チャンスメイク

守備に回る時間帯が長くなる展開はリーグ戦でも多く経験している京産大だが、勝利を収めた試合はリズムが悪くても耐え切ることができている試合がほとんど。吉川拓也監督は、前半ラスト10分を耐えきれなかったことが勝敗を分けたと話す。「疲弊している部分はあったと思いますが、チーム内でしっかり共有して前半を締めることができなかった。負ける試合っていうのは、おそらくそういうことが起こっていて、ゲームの肝みたいなところを抑えきれなかった」と指揮官は分析した。

阪南大はHTでMF篠田に替えてMF松本楓悟(4年/阪南大学高)を投入し攻撃の色を変えると、56分に試合の均衡を破った。MF松本が巧みなドリブルでDF逵村健斗(4年/三重高)とMF末谷をかわしクロスを供給すると、MF秋末が合わせて鮮やかな逆転弾を決めた。

初優勝を勝ち取りたい京産大は、73分にFW高川諒希(1年/カターレ富山U-18)、FW森田皇翔(1年/ヴィッセル神戸U-18)、MF福島健太(2年/青森山田高)を送り出して攻撃陣を一新。両サイドから攻撃を仕掛けて果敢にゴールを狙うが、枠を捉えられない。阪南大にシュートチャンスを与えない高い集中力を維持した堅守を見せたが、90+3分にDF沖野眞之介(1年/高川学園高)が相手をホールドしたことでDOGSO(決定機阻止)による一発退場の判定を受けてしまう。1点を追う状況での退場になったルーキーのプレーを「これもひとつの経験。試合の中でチームとしても個人としても要求されていることは十分できている」と、吉川監督は評価した。

AT7分、京産大MF伊藤がペナルティエリア内から放ったシュートがブロックされたところで、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。残り1分を残しての笛となったため、両チーム監督と審判による協議の末、スローインからの試合再開となった。中断の間、阪南大の北條貴紀コーチは、「こんなこともある」とピッチの選手に声をかけ続けた。「試合前にも選手に話したが、決勝戦は何が起こるか分からない。必死と必死がぶつかり合うので。こんなことは起こってはいけないけれど、何が起こるか分からない。そのために日々しっかり準備してきている」と幾度も決勝戦を経験してきたからこそのコーチングを語った。

正真正銘のラスト1分のため、京産大はGK徳若碧都(4年/高川学園高)も攻撃に参加。しかし、MF滝口晴斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)のロングスローは阪南大に跳ね返され、2度目のホイッスルでタイムアップ。阪南大は昨年の総理大臣杯、関西学生リーグに続き、関西選手権でも優勝を果たし、強者としての存在感を一層高める結果を残した。

決勝点を決めた秋末

試合後、北條コーチは「日々地道にトレーニングして攻守について共有して、それぞれ競争心もってやっているのが1番の要因かな」と優勝を分析。総理大臣杯に向けて「目標は1回戦突破。リーグ戦でも勝ち点計算は一切しないし、勝った負けたで一喜一憂しない。目の前の次の対戦相手に対して全力でぶつかっていく準備を1週間やっていくだけなので」と一つひとつの積み重ねが重要だと改めて強調した。その上で「ディフェンディングチャンピオンとして見られるのは仕方ないことなので、相手以上にいい準備をして、阪南大らしい躍動感のあるサッカーをやれたらいいなっていうのを一番考えている。そういう準備を数ヶ月かけてしたい」と意気込みを語った。

敗れた京産大は昨年に続き関西選手権準優勝という結果となった。吉川監督は「一昨年のインカレ、昨年の関西選手権と、今回含め3回、目の前でトロフィーを掲げられる経験をしている。ただ、そういうステージに上がってこれているのは間違いなく成長だと思う」とポジティブにとらえた。2年連続の総理大臣杯出場では、今度こそ優勝を狙うために「”競争心”が鍵」と吉川監督は分析する。「ここ数試合でもスタメンで出ている選手が3戦、4戦ほど連戦で出場している。それぞれがダブルポジションできるようにするのと、ひとつのポジションに2人、3人出てもチームのパフォーマンスが変わらないっていうのを作るのが大事。夏にチーム力を上げるためには、個人のスキルやタフさを向上させることが大切かなと。どのチームと当たっても強豪になるので、一戦一戦勝っていくことが大事かなと思います」と語った。

両チーム指導者の口から出た『競争心』という言葉。夏の準備期間でいかに『競争心』を持ってチーム全体を底上げできるかが、全国制覇の鍵になるのは間違いない。総理大臣杯優勝を成し遂げるチームが関西勢であることを期待したい。

2025/06/07 「アミノバイタル®」カップ2025 第54回 関西学生サッカー選手権大会決勝 阪南大vs京都産業大 フォトギャラリー/開始直後の末谷ゴールで京産大が先制も、阪南大が逆転勝利で7大会ぶり6回目の優勝!
谷口健太

京産大体育会本部編集局を(京産大アスレチック)を経てフリーカメラマンとして活動。
関西の大学を中心に撮影しています。

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