’25 関西学生リーグ第1節/昨季の上位4チームはドロー発進。関学大は退場者を出しながらも、大院大に勝ち切る。昇格組対決は桃山大がゴールラッシュで復帰戦を飾る。

関西学生リーグはサンガスタジアムbyKYOSERAで、4月5日に全登録チームが勢揃いしての開会式が実施された後、阪南大vs関西大が行われた。関西大が前半にMF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース)の冷静なシュートで先制するも、80分にFW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)のヘディングで阪南大が追いつき、ドローに。オープニングゲームは、関西学生リーグを牽引する両チームの持ち味が如何なく発揮された見ごたえある一戦となった。

同点弾を決め、胸のエンブレムを示す阪南大・中田有祐

翌4月6日には残りの5試合が開催。ヤンマースタジアム長居の第1試合・大阪学院大vs関西学院大は、序盤から激しい展開となる。5分に大院大FW青木玲(4年/大阪学院大学高)がサイドを抜けてゴール前に出したパスを受けたFW鈴木仁也(4年/鹿島学園高)のシュートを関学大DFがブロックしたプレーがファウルとなりPKをジャッジされるが、キッカー青木のシュートはバーの上を超え、大院大は先制のチャンスを逸してしまう。その直後の9分、大院大・DF岡田佳己(4年/京都橘高)のロングキックに抜け出したFW北田統士(4年/大阪学院大高)を関学大DF西谷京祐(4年/関西学院高等部)が倒してレッドカードの判定。10人で戦うことになった関学大だが、粘り強い守備から素速い攻撃を仕掛けると、38分に左サイドのMF村井清大(3年/ヴィッセル神戸U-18)のクロスにMF棟近禎規(2年/興國高)がヘッドで合わせて先制に成功する。44分には、相手のパスをカットしたDF金山耀太(2年/近江高)がドリブルで持ち上がり、エリア内で倒されて関学大がPKを獲得。ここは主将MF三宅凌太郎(4年/帝京長岡高)が左上にきっちりと決めて、一人少ない関学大が2点をリードし、前半を折り返す。
関学大は58分にも、DF山本楓大(3年/サガン鳥栖U-18)のCKをMF稲川暖大(3年/名古屋グランパスU-18)が体勢を崩しながらも決めきり、点差を広げる。大院大も62分にDFラインの裏へうまく抜け出したMF鈴木聡太(2年/セレッソ大阪U-18)のパスを逆サイドで受けた青木が決めて反攻を開始するが、関学大の身体を張ったプレーの前に追加点を奪うことはできないまま、タイムアップとなった。

PKを決めてチームメイトに祝福される関学大・三宅凌太郎

昨年度リーグの3・4位対決となった京都産業大vs大阪体育大は、両チーム新戦力が躍動。まずは4分、高い位置でボールを奪ったMF大倉慎平(1年/ガンバ大阪ユース)が放ったシュートに大体大GK長野大河(4年/立正大学淞南高)が反応するもキャッチには至らず、こぼれたところをFW森田皇翔(1年/ヴィッセル神戸U-18)が詰めて、ルーキーの活躍で京産大が先制点を奪う。その後も京産大がはつらつとしたプレーで試合を進めるがなかなか追加点を奪い取れない。すると40分、京産大DF小野成夢(3年/愛媛FCU-18)と大体大DF池戸柊宇(2年/京都橘高)が空中戦で激突し、池戸は出血の処置をしてピッチに戻るが、小野が脳震盪疑いで交代となる。京産大は緊急出場となったDF夘田大揮(4年/東山高)が、冷静な対応でチームを落ち着かせていくが、大体大は後半に入ると攻撃の圧力を強め、FW三島拓人(1年/立正大学淞南高)やMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)が巧みにスペースへ抜け出して、チャンスの場面を増やしていく。88分にMF畑拓海(1年/熊本県立大津高)のパスを受けた佐野がゴール前に入れると、二人が潰れた先のファーサイドに走り込んできたMF島龍之介(3年/京都サンガF.C.U-18)がシュートを叩き込み、終了間際に大体大が同点に追いつくが、勝ち越し点は奪えずにタイムアップ。双方の1回生が持ち味を生かしたプレーで、試合を盛り上げた。

島龍之介のゴールで終了間際に大体大が追いつく

昇格組同士の対戦である桃山学院大vs関西福祉大は、桃山大がゴールラッシュで快勝。まずは9分に直接FKからFW藤枝康佑(4年/東山高)のゴールで先制する。関福大が最終ラインから繋ぎ、サイドのスピードを生かしてチャンスを作るが、45分にMF田尻匡平(3年/昌平高)が流れからうまく決めて桃山大が追加点をあげてハーフタイムを迎える。後半に入ると、試合は目まぐるしい展開に。68分にFW大平青空(2年/静岡学園高)、70分にDF田村遊吏(2年/履正社高)、72分にMF野口響稀(3年/ガンバ大阪ユース)と立て続けに桃山大が得点を重ねていく。関福大も74分にFW松下貴要(3年/日章学園高)が1点を返して反撃に入るが、桃山大は攻撃の手を緩めず、直後の75分にMF村上愛和(4年/東海大学付属福岡高)のゴールで再度相手を突き放し、86分には藤枝がこの日2得点めとなるゴールで、大差をつけて勝利。最高のスタートで1部復帰戦を飾った。

昨季はともにあと一歩でインカレを逃した同志社大vs大阪経済大。9分に相手のクリアボールをDF藤嶋凌久(4年/東海大学付属大阪仰星高)が前線に放り込んだボールを、FW下崎琉宝(3年/興國高)が落としたパスにFW水永直太朗(2年/東海大学付属大阪仰星高)がダイレクトで合わせて先制する。1点を追う同志社大は、後半から主将であるMF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)を投入し、流れを引き寄せようと狙うが、大経大の前線からの守備に苦しめられ、なかなかリズムを作れない。82分には自陣CKのクリアボールを受けた大経大MF山本青英(3年/東海大学付属大阪仰星高)が快足を生かして左サイドを独走し、最後はGKをよく見てゴールへ流し込み追加点。同志社大の反撃をしのぎきった大経大が好スタートを切った。

攻撃的なサッカーで昇格2年目の飛躍を狙う京都橘大が、序盤からアグレッシブに仕掛けて甲南大のゴールへと迫るが、シュートまでは持ち込めない。甲南大もMF泉彩稀(4年/ヴィッセル神戸U-18)が攻守をうまくリンクさせて徐々にリズムを取り戻していくと、13分に泉が中盤から左サイドに出した早いパスに反応したFW諏訪晃大(3年/桐生第一高)がゴール前へと折り返すと、最後はMF西村日陽(4年/ジュビロ磐田U-18)が決めて先取点とする。京都橘大もMF上甲海琴(4年/近江高)とDF沖秀大(4年/東海大学付属大阪仰星高)が右サイドから好連携で仕掛けていくが、甲南大の堅い守りを崩せない。58分には最終ラインからのパスを右サイドで受けたFW初田然(4年/清風高)が上げたクロスに諏訪がヘッドで合わせて甲南大がリードを広げる。京都橘大も勝利への執念を見せて90+4分にDF井村知也(1年/神村学園高等部)のゴールで追いすがるが、届かずタイムアップとなった。

《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第1節》
▽2025/04/05 13:00 Kick off – サンガスタジアム by KYOCERA
阪南大 1-1(0-1) 関西大
得点:’18 関西大/三木仁太(黒沢偲道)、’88 阪南大/中田有祐(山田晃市)

▽2025/04/06 11:30 Kick off – ヤンマースタジアム長居
大阪学院大 1-3(0-2) 関西学院大
得点:’38 関学大/棟近禎規(村井清大)、’44 関学大/三宅凌太郎(PK)、’56 関学大/稲川暖大(山本楓大)、’62 大院大/青木玲(鈴木聡太)

▽2025/04/06 14:00 Kick off – ヤンマースタジアム長居
京都産業大 1-1(1-0) 大阪体育大
得点:’4 京産大/森田皇翔(大倉慎平)、’88 大体大/島龍之介(佐野竜眞)

▽2025/04/06 11:30 Kick off – 同志社大学京田辺グラウンド
同志社大 0-2(0-1) 大阪経済大
得点:’9 大経大/水永直太朗(下崎琉宝)、’82 大経大/山本青英

▽2025/04/06 11:30 Kick off – 桃山学院大学メイングラウンド
桃山学院大 7-1(2-0) 関西福祉大
得点:’9 桃山大/藤枝康佑(田村遊吏、石橋聖也)、’45 桃山大/田尻匡平(田村遊吏、蘓鉄航生)、’68 桃山大/大平大空(田村遊吏)、’70 桃山大/田村遊吏(森脇勇人)、’72 桃山大/野口響稀(井上秀悟)、’74 関福大/松下貴要(茂木碧生)、’75 桃山大/村上愛和、’86 桃山大/藤枝康佑(村上愛和)

▽2025/04/06 14:30 Kick off – 甲南大学ラグビー兼サッカー場
甲南大 2-1(1-0) 京都橘大
得点:’13 甲南大/西村日陽(諏訪晃大)、’58 甲南大/諏訪晃大(初田然)、’90+4 京都橘/井村知也(住芳樹、沖秀大)

蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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