Pickup Player 阪南大・中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース)「もう1点いけそうでしたけど、そこで決められるように質を上げていきたい」

《2025年度 第103回 関西学生サッカーリーグ 第1節》

2025/04/05 13:00 Kick off – サンガスタジアム by KYOCERA
阪南大 1-1(0-1) 関西大
得点:’18 関西大/三木仁太(黒沢偲道)、’80 阪南大/中田有祐(山田晃市)

同点ゴールを決め、応援の仲間たちに向かって雄叫びを上げる中田

前年度のリーグ戦で優勝を争った2チームの対戦は、2025シーズンの幕開けに相応しい熱戦となった。試合は18分にMF三木仁太(4年/ガンバ大阪ユース)の得点で先制した関西大が主導権を握って前半を進めるが、阪南大も後半はしっかりと修正し、幾度も関西大のゴールへ迫る場面を作っていく。すると80分にMF山田晃市(3年/四国学院大学香川西高)が左サイドからゴール前へと上げたクロスを、FW中田有祐(3年/ベガルタ仙台ユース/仙台内定)が打点の高いヘディングで叩き込み、阪南大が同点とする。その後は両チーム、決定機を作りながらも決めきれず、オープニングゲームはドロー決着となった。

「完璧なクロスだったので、上がった瞬間『これは来たな』と。いけるってなってボールに飛び込みました」と中田は得点を振り返る。山田からクロスが出されたとき、中田よりもゴールに近くにFW金本毅騎(3年/セレッソ大阪U-18)も位置し、クロスに合わせようとしていたのだが、中田はその上を越えて決める抜群の高さを見せた。「毅騎のことも全然見えていなくて、とにかく合わせようと思ってました。あとで毅騎に『なんか俺、上に乗られたわ』って言われました」と笑うようにゴールへ向かう貪欲な姿勢が見せた価値ある同点弾だった。

3月17日には古巣であるベガルタ仙台への帰還も発表になり、3月26日に行われた2025JリーグYBCルヴァンカップ1回戦栃木SC戦では、延長後半からピッチに立った。森山佳郎監督から「思い切ってやって来い」と声を掛けられて送り出された場所は、中田にとって「ユースに入ったときから憧れていたところ」だ。デビューできたことは自信になったが、チームを勝たせることができなかった悔しさも味わい、課題も得て大学に戻ってきた。

関西大戦でも、90+1分にMF田中晃誠(3年/東福岡高)から受けたボールを、速いモーションでシュートに行くビックチャンスがあったが、枠を捉えられずに勝ち点1を得るに留まった。「もう1点いけそうでしたけど、そこで決められるように質を上げていきたいなと思います」と力を込める。

去年のこの時期、リーグ戦スタートの時点では関西でも『中田有祐』という選手の価値を知る人はわずかだったが、瞬く間に成長を遂げ、U-20全日本大学選抜にも選ばれて、早期のプロ内定を勝ち取った。「特別、何かをしたわけではない」と中田本人は話すが、チームの誰もが認める努力家の取り組みは、ひたむきな日々の練習の中でも目に見える成長となって表れ、夢への切符を掴み取った。

プレーだけでなく、声で仲間を鼓舞するパワーも中田の大きな長所だ。よりスケールの大きな選手となっていくためにも、阪南大で成長を重ねてチームの目標とする連覇を達成する原動力となっていきたい。

迫力あるプレーでゴールへ迫った
蟹江 恭代

関西を中心に、大学サッカーの写真を撮ったり、記事を書いたりしています。

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