猛暑が予想される7,8月での公式戦開催を減らすために、第2節はミッドウィーク開催となった関西学生リーグ。チームによっては中2日でのハードな連戦を行うスケジュールだ。今節は昨年度優勝を争っていた2校が、昇格チームに敗れており、実力拮抗の関西学生リーグを象徴する結果となった。
関西福祉大は立ち上がりから積極的に前線でプレスをかけていくと、4分に関西大のDF陣のパスミスをFW松下貴要(3年/日章学園高)がすかさず奪い取り、先制ゴール。関西大はリズムを整えてボールを運ぼうとするが、関福大の守備にうまく嵌められてしまい、なかなかチャンスにつなげられない。すると23分、再び関西大のビルドアップのパスを松下が奪い、逆サイドにパス。これをMF茂木碧生(3年/前橋育英高)が左隅に決めて、リードを広げる。徐々にペースをつかみ攻撃を仕掛ける回数を増やしていった関西大は、後半頭からDF藤谷温大(1年/柏レイソルU-18)とMF北村圭司朗(3年/東山高)を投入し、相手を押し込む場面を増やしていく。猛攻が実ったのは70分、MF和田健士朗(3年/セレッソ大阪U-18)がふわりと上げたボールに、藤谷が走り込み1点差とする。攻撃の手を緩めない関西大だが、関福大も粘り強い守備でこれに対応。全員で守り切った関福大が、今季リーグ初勝利を飾った。
破壊力ある攻撃で昨季リーグ優勝を飾った阪南大だが、この日は桃山学院大がそのお株を奪う攻撃力を見せた。まずは38分、阪南大DFがクリアしようとしたところを、MF田村遊吏(2年/履正社高)がプレスをかけて奪い取ると、ゴール前へとパス。これをMF蘓鉄航生(2年/ヴィッセル神戸U-18)が決めて先制する。45+1分にも、高い位置でのパスを奪ったFW李隆志(4年/東山高)がドリブルからゴールを決めて、桃山大リードで前半を折り返す。阪南大が修正を図ろうとした後半の立ち上がりの49分、左サイドの深い位置からMF厚地陽賢(3年/ルーテル学院高)がゴール前のスペースに出したパスに蘓鉄が走り込み、この日2点目を上げる。阪南大もパスを繋いでリズムを作ろうとするが、桃山大の速いプレッシングの前になかなか流れを掴みきれない。63分にはMF石橋聖也(2年/サンフレッチェ広島F.Cユース)が右サイドへ展開し、田村がダイレクトでFW藤枝康佑(4年/東山高)へ。藤枝はDFと競り合いながらも打ち切りリードを広げる。89分にはMF加藤緒(4年/立正大学淞南高)のゴールで大差をつけ、守備でも全員のハードワークで阪南大をクリーンシートに抑えた桃山大が2連勝で首位をキープした。
関西学院大vs大阪経済大は、大経大がロングボールで仕掛けていくのに対し、関学大はパスとスピードで対抗。お互いシュートは打つものの、なかなか得点には至らない。12分にはGKからのパスを受けたDF久世一慧(4年/立正大学淞南高)が左上にコントロールショットを放つが、ここは関学大GK宮本流維(4年/名古屋グランパスU-18)がビッグセーブ。大経大は15分にもロングフィードをFW水永直太朗(2年/東海大学大阪仰星高)が落としたボールをFW下崎琉宝(3年/興國高)が抜け出し決定機を作るが、宮本のセーブの前に阻まれる。関学大も37分にはDF山本楓大のFKからMF木場拓実(4年/桐生第一高)が直接狙うが、GK吉野顕二に防がれてしまう。スコアレスで前半を折り返すと、後半先手を取ったのは大経大。MF片山颯真(3年/ヴィッセル神戸U-18)がゴール前に入れたボールを水永が落とし、最後は下崎(琉)が決めきった。しかし、関学大も66分にCKからDF野中陸(4年/ガンバ大阪ユース)が頭で合わせて同点に追いつくと、交代選手がプレーの強度とスピードを上げて流れを掴み、チャンスにつなげていく。しかし、その後は互いにゴールを奪えぬまま、ドローで決着となった。
前節は終盤に追いつき勝ち点1をもぎ取った大体大は、勝利のために開始直後からパワフルに相手陣内へ迫ると、8分右サイドからMF佐野竜眞(4年/広島県瀬戸内高)がロングスローでゴール前へ入れたボールを、FW三島拓人(1年/立正大学淞南高)が空中戦に競り勝ち、こぼれたところをFW臼田成那(2年/ノースアジア大学明桜高)が仕留めて先制する。京都橘大もFW小橋川海斗(3年/米子北高)が中央に位置取って、FW松村尚樹(4年/鹿島学園高)、MF上甲海琴(4年/近江高)が幅を使いながらチャンスを模索するが、なかなか決定機には結びつかない。後半は大体大もフレッシュなメンバーを投入し、攻撃のギアを入れてくる。62分、京都橘大がゴール前でヘディングでクリアしたボールを左サイドで拾ったMF佐藤陽成(4年/北海道コンサドーレ札幌U-18/札幌内定)が思い切りの良いミドルシュートで突き刺し追加点を決める。さらに70分、左CKをMF山本修也(4年/作陽高)が頭で合わせて3点目、84分にはFW中津悠哉(4年/福井商業高)がスペースに出したボールを佐野が受けて一気にドリブルで仕掛けてそのままゴール。佐野はこの日1得点2アシストと勝利に大きく貢献した。京都橘大のカウンターにもしっかりと対応し、クリーンシートで大体大が勝ちきった。
互いに1節では勝利を掴めなかった大阪学院大と同志社大の試合は、開始早々にスコアが動く。2分、大院大FW鈴木仁也(4年/鹿島学園高)のシュートが同志社大DFの腕にあたり、ハンドの判定に。このPKを鈴木(仁)が決めて、先制する。早々に失点を喫した同志社大だが、慌てずにリズムを作り、徐々に試合を支配するようになっていく。18分にはFKからDF平田翔之介(2年/桐光学園高)が頭で狙うがここはバーの上となる。同志社大は、精度の高いセットプレーで幾度も相手を脅かす場面を作っていたが、30分のMF鹿取勇斗(4年/桐光学園高)が蹴った左CKが、ニアに決まり同点となる。大院大も後半は交代選手のパワーもあり、リズムよく攻撃を仕掛けていくが、同志社大GK波多野崇史(4年/サンフレッチェ広島F.Cユース)の好セーブの前に勝ち越し点は奪えない。同志社大もMF西川桂太(2年/京都橘高)がアグレッシブにゴールを狙うが、こちらもゴールはならず。勝ち点1を分け合う結果となった。
早い時間に試合が動いたのは、京都産業大vs甲南大の試合もだ。5分にDF赤熊大和(3年/就実高)の入れたスローインを受けたMF泉光太郎(2年/静岡学園高)が思い切りよく入れたボールはDFのスペースでバウンドし、ゴールに吸い込まれる。出鼻をくじかれた京産大は、ボールを持つ時間は増えるも効果的な攻撃につなげることができない。甲南大も先制後は決定機を作れないまま、前半を終了する。京産大は後半頭からMF末谷誓梧(3年/セレッソ大阪U-18)とFW妹尾颯斗(3年/サンフレッチェ広島F.Cユース)を投入して、攻撃の活性化を狙う。すると76分、CKの流れから相手GKのクリアボールを拾ったMF伊藤翼(3年/セレッソ大阪U-18)が強烈なシュートを叩き込み、京産大が試合を振り出しに戻す。両チーム、サイドアタッカーの特徴を生かして攻撃を仕掛けるが、その後はどちらもゴールを割れずに引き分けとなった。
《2025年 第103回 関西学生サッカーリーグ第2節》
▽2025/04/09 10:30 Kick off – J-GREEN堺(S10フィールド)
関西学院大 1-1(0-0) 大阪経済大
得点：’60 大経大/下崎琉宝(山本青英、満永拓実)、’66 関学大/野中陸(山本楓大)
▽2025/04/09 12:45 Kick off – J-GREEN堺(S10フィールド)
大阪学院大 1-1(1-1) 同志社大
得点：’2 大院大/鈴木仁也(PK)、’30 同志社/鹿取勇斗(CKを直接)
▽2025/04/09 10:30 Kick off – J-GREEN堺(S12フィールド)
関西大 1-2(0-2) 関西福祉大
得点：’4 関福大/松下貴要、’23 関福大/茂木碧生(松下貴要)、’70 関西大/藤谷温大(和田健士朗)
▽2025/04/09 10:30 Kick off – J-GREEN堺(S12フィールド)
関西大 1-2(0-2) 関西福祉大
得点：’4 関福大/松下貴要、’23 関福大/茂木碧生(松下貴要)、’70 関西大/藤谷温大(和田健士朗)
▽2025/04/09 12:45 Kick off – J-GREEN堺(S12フィールド)
阪南大 0-5(0-2) 桃山学院大
得点：’38 桃山大/蘓鉄航生(田村遊吏)、’45+1 桃山大/李隆志、’49 桃山大/蘓鉄航生(厚地陽賢)、’63 桃山大/藤枝康佑(田村遊吏、石橋聖也)、’89 桃山大/加藤緒
▽2025/04/09 10:30 Kick off – J-GREEN堺(S13フィールド)
大阪体育大 4-0(1-0) 京都橘大
得点：’8 大体大/臼田成那(三島拓人、佐野竜眞)、’62 大体大/佐藤陽成、’70 大体大/山本修也(佐野竜眞)、’84 大体大/佐野竜眞(中津悠哉)
▽2025/04/09 12:45 Kick off – J-GREEN堺(S13フィールド)
京都産業大 1-1(0-1) 甲南大
得点：’5 甲南大/泉光太郎(赤熊大和)、’76 京産大/伊藤翼
